第9回読書会レポート④
『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第9回読書会レポートのつづきです。
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一生懸命やっても理解してもらえず、文句を言ってくる人に対しては腹が立つけれども、相手が誠心誠意やっている場合には怒らないようにしているという方もいました。一生懸命やった結果のミスならば、直せばいいという考え方です。
職場で外国人と日本人の職員のルールが違っていて、コミュニケーションもとれていない状況で、「なんでできないの!?」ではなく「もう、何なの!?」というレベルになってしまうことがあるそうです。それに対して、その方は「ああ、そうなんだ」と受け止めるようにしているそうです。そういう事実があったんだと踏まえた上で、「じゃあ、どうしたらいいんだろうね」という接し方をするそうです。「こんなふうにできたらいいのかな」と穏やかに提案するようにしているとのこと。実際、外国人の方がいてくれないと成り立たないからです。実際にはご本人は気が短いのだけど、先に怒ってしまう人がいるので、それを見て対応しているそうです。
感情的にならずに、とにかく相手の話を聴くという方もいます。「なんで怒っているんだろう」と考えながら、十分に怒ってもらうようにしているそうです。ときには「あっち行け」と言われてしまうこともあるそうですが、そうやって怒った後に「さっきはごめんね」と謝ってきてくれることも多いからです。怒っている時は止めても仕方がないので発散してもらって、全部受け容れるそうです。自分の感情を受け容れてくれる人がいる、と思うと相手も怒りの頻度が減っていくほか、話を聴いてくれる人として認識してくれるようになります。子ども同士が喧嘩の後ですっと気持ちが通じ合うことがあるように、そのような瞬間を重ねていっているそうです。
相手を敬う態度がない人が苦手だという意見もありました。横柄な人に対して感情的になってしまうそうです。だけどそうやって怒りを覚えるのはわかり合いたいからであって、感情を出すのはマイナスなことではないと捉えているそうです。そこを超えて「もう許せない」となると、感情を持たなくなってしまいます。利用者の方であれば、きちんとケアはするけれども、気持ちの上で一定の距離を置くようになるそうです。自分を守るうえで気持ちの距離をとっている方は多いかと思います。それがこういう特定のケースだけならまだしも、全員に対して気持ちを閉ざした状態になると、自分自身が疲弊していってしまいますよね。
今回は67ページの下から8行目まで読み進めました。次回はこのページの「スタッフの感情を支援する」から読んでいきます。