第9回読書会レポート①
9月10日(木)は『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第9回読書会でした。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。
(※これまでのレポートはこちらからすべてご覧いただけます。)
今回もZOOMを利用してのオンライン開催でした。61ページの「スタッフをやる気にさせる要因を理解する」から読んでいきました。
62ページのスタッフのモチベーションアンケートを各自に当てはめ、自分のモチベーションを探っていただいたところ、以下の項目が挙がりました。
・自分の仕事はとても重要だと信じている
・自分の努力の結果が見える
・仕事が興味深く多様だ
・認知症がある人と関わることを選んだわけではなかったが、いまでは楽しんでいる
・仕事が自分の能力と個人の資質によく合っている
・認知症がある人に興味がある
・仕事から常に学んでいると感じる
中でも「仕事から常に学んでいると感じる」を選んだ方が多くいらっしゃいました。
どのような学びがあるのか伺ったところ、人間としての学びというか、それぞれの生き方があることを学んでいるそうです。認知症だから忘れてしまうのだといくら教科書的にわかっていても、実際には「なんで忘れちゃうの」という気持ちになってしまうことがあり、そうやって受け容れられない自分を学びながら、本当の意味での理解につながっていくということでした。
仕事のモチベーションではなく、生きる上でのモチベーションという観点から、『認知症でも心は豊かに生きている』の中から、以下の箇所を紹介させていただきました。著者の長谷川和夫先生は、認知症の診断基準である長谷川式簡易知能評価スケールの開発者としてとして著名な方です。2017年にご自身が認知症であることを公表され、現在は当事者の立場から積極的に発信をされています。
“「美しいものに触れる生活」
認知症の症状が進んだとしても、絵画や音楽といった美しいものに触れる生活を過ごしていきたいと思います。
(中略)
認知症が進んでも、嬉しい、悲しいといった喜怒哀楽の感情は残るといわれます。私自身認知症になって感じるのは、絵画や音楽といった芸術が、心をとても落ち着かせてくれると言うことです。美しいものに触れると心が刺激され、癒され、満たされるのを感じます。”
美しいものに触れることで活性化する脳の領域は、食べたり飲んだり、生きていくうえで欠かせないことをしたときに活性化する脳の領域と同じだといわれます。そう考えると、生きる上でのモチベーションとして、芸術に触れることも大切ですよね。