第9回読書会レポート②
『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第9回読書会レポートのつづきです。
(※これまでのレポートはこちらからすべてご覧いただけます。)
Amazon(アマゾン)
2,200〜5,600円
65ページに登場する「認知症チャンピオン」は、認知症についての知識が豊富で対応もうまく、他の人に教えられる立場の人のことです。「アドバイスをし、質問をし、フィードバックをする権利があると同僚から見てもらえるように、その役割が組織内で適切に認識されることも欠かせません」とありますが、権限を与えられない場合にどのようにフォローするかについて話し合いました。
認知症チャンピオンは、同僚とのコミュニケーションだけではなく、上との根回しもできるようでなければいけないのではないかという意見がありました。根回しは得意ではないし、利用者の方の気持ちはうまく汲むことができても、現場の専門知識を持たないトップの気持ちを汲むのは難しいという意見もありました。
また、トップダウン的な形で任命するのではなく、ボトムアップ的なアプローチというか、個々人のすごいところを認めてもらう場面をたくさんつくることが大事だという意見もありました。たとえば、「この人はトイレ介助は下手だけれども、食事の世話はとても上手にできる」とか、各自に得手不得手があるので、「この人にはこんなにいいところがある」「このことに関してはチャンピオンだ」と皆が認めていくことが大切なのではないかというのです。もしチャンピオンになりたいと思うのならば、個々人の気持ちをきちんと把握していけば、自然と従ってもらえるのではないか。根回しという言葉にはネガティブな響きがあるけれども、その人の素晴らしさを知るきっかけをつくることが根回しなのではないかというお話でした。