第4回読書会レポート④ | 寺田真理子オフィシャルブログ

第4回読書会レポート④

第4回読書会レポートのつづきです。

 

第4回読書会レポート①はこちらです。

第4回読書会レポート②はこちらです。

第4回読書会レポート③はこちらです。

 

 

37ページにあるワークでは、メディアと認知症の関係について取り上げています。この関連で、『834/1歳の素晴らしき日々』を紹介させていただきました。

 

 

本書は人口1700万人のオランダで32万部のベストセラーになったものです。主人公はケアハウスに暮らしていて、施設の管理者は意地悪で、居住者たちも好ましくない人物が多い中、「オマニド(年寄りだがまだ死んでいない)クラブ」を結成して人生を謳歌します。そのクラブのメンバーであるフリーチェがアルツハイマー病になるのですが、彼女自身はそのことをこう捉えています。

 

「アルツハイマーは流行ってるのよ。アルツハイマーのことが載ってない雑誌がないくらい。アーデルハイト・ローセンは認知症の母親の芝居を上演したし、ヤン・プロンク(元住宅・国土計画・環境大臣)はYouTubeで認知症の母親の話をしていたわ。マリア・ファン・デル・フーフェン(元経済大臣)はデ・フォルクスクラント紙で衰えていく夫のことを語っていた。認知症の人が身近になければ、仲間はずれになるくらい。あなたには私がいることを喜びなさいよ!」

 

こんなふうに受け止められたらと思います。参加者の方に伺ってみたところ、「恍惚の人」のイメージがやはりすごく強く残ってしまっているそうです。実際の現場では前向きなことはたくさんあるけれども、それはテレビ受けするものではなく、絵になりやすい仕事ではないのです。認知症がある人は話を聞いてくれる人がいるだけで元気になれたりするものです。目立つところだけでなく、そういった裾野の認知度を上げていくことが大事ではないかという意見が出ました。また、相手を否定するようなことを止めるだけでどんなによくなるかという話も出ました。

 

アルツハイマー病の診断についても、診断を下す側の医師がきちんとした診断ができていない状況や、そのために必要のない薬を服用している問題についても話が及びました。その状況と、発達障害と診断された子どもが薬を服用しないと学校に通えない状況との類似点についても話が及びました。

 

今回は38ページ12行目まで読み進めました。次回は38ページの「集団の規範」から読んでいきます。次回は2020年1月9日(木)の開催です。どうぞよろしくお願いいたします。