メキシコ大使館での「テキーラの日」記念レセプションでは、テキーラジャーナルの情報をベースに、テキーラの最新マーケットについてお話させていただきました。
コロナ禍の影響で日本の対輸出ランキングは 2020 年以降ランクダウンをしております。
過去日本は、世界で第 5 位までランクアップした時期もありますが、お酒業界を取り巻く様々な規制の影響で、この 2 年間は10位圏外に落ちてしまっています。
ただ、2022 年は売上が好調なブランドも多く、数字の回復が見込まれています。今年の後半に期待ですね。
日本での数字とは違い、メキシコではテキーラはコロナ禍においても前年同様の生産・輸出量が確保されています。
また世界で一番のテキーラ消費国アメリカでは、逆にコロナ前よりも輸入量は伸びていて、なんと世界の約 90%のシェア。
現在もアメリカの数字は伸び続けていて、コロナ禍で逆にテキーラ業界は好調なブランドが多く、それによって「テキーラ不足」「テキーラの値上がり」が
大きな問題になているのも事実です。
なぜ、テキーラは値上がりしてしまったのか?
現在日本が抱える円安の問題もありますが、アガベの値段の高騰化からの高止まり、ボトルやコルク不足、原酒不足などもあり、オーダーがあってもボトリング出荷できないといったブランドも多く、またアメリカでの需要が高 いため、他の国に割り当てられる分が回ってこないなども原因となっています。
日本でも、最近定番ブランドの休売・終売などが話題になることが多いですが、 これも海外での売り上げは過去最高で、生産が追い付かずに日本まで割り当てが来ないという問題も。
また、パンデミック中に消毒剤の不足からメキシコ政府がアネホを大量に回 収したため、メキシコでボトル詰め済だった分まで回収されてしまっ たブランドもあり、アメリカにあった商品は全て完売してしまったということもあり、その分、レポサドを大量に作るようになったブランドも出てくるなどの傾向もみられます。
ジョージ・クルーニーがテキーラブランドをプロデュースした際はとても話題になりましたが、その後続々と著名人がテキーラ業界に参入しています。
もちろんテキーラやメキシコが好きだからという理由もありますが、ビジネスやブランディングの1つとして手掛けている方も多く、テキーラの華やかなイメージが消費の後押しをしているという事も、テキーラの売り上げが伸びていることを後押ししています。
ただ、著名人の中にはブランド=自分のプロモーションとして、ブランド価値やイメージを上げて、大手企業に買収してもらうという事を目標にしている場合も。
テキーラ産業の発展には貢献しつつも、テキーラそのものの価値や実際のつくり手の生活水準が上がっているかどうか?このあたりも悩ましいところ。
今後の動向は、改めてテキーラジャーナルを通じてご報告していきたいと思います。