サウザといえば、日本でも知らない人はいない人気のテキーラブランド。
創業者のドン・セノビオ・サウザ氏から続く、テキーラの名門一家で、テキーラ村の通りの名前にも、「サウザ」とついているほど有名な、メキシコでも知らない人はいない名前です。
サウザは現在3代目のドン・ハビエル・サウザ氏の経営で、彼の就任を記念した「スリー・ジェネレーション」も販売されています。
5代目のギレルモ・エリクソン・サウザも、同じテキーラ村に蒸留所をかまえ、日本未入荷ですが、TV世界遺産で紹介されて話題になった、フォルタレサ(ロス・アブエロス)を販売し、一家でテキーラの発展に貢献しています。
2013年にお会いしてから、久しぶりに蒸留所を訪問し、ギレルモ氏と再会してきました。
歴史と伝統、そして祖父のアガベ作りへの情熱を引き継ぎ、オリジナルの製法で生まれたフォルタレサ。
生産数が非常に少ないため、日本未入荷ながら、その深い味わいにテキーラファンからも大注目。
私も大好きなテキーラのうちの1つです。
正門から中に入ると、綺麗な蒸留所の施設と、傾斜に並んだ美しいアガベ畑が目に入ります。
愛犬と一緒に登場した、ギレルモ氏に案内していただき、施設を順番に見学。
アガベは自社農園や、アガベ農家のから仕入れ、7~8年ものを使用しているそうです。
タオナを使い、ゆっくり加熱したアガベを絞汁しますが、バガスは発酵に使用しないそうです。
尊敬している祖父の時代の伝統的な製法を使い伝統を守りながらも、他の蒸留所がしないことをしたい
といことで、手間暇かけてとれたバガスはそのまま畑の肥料として使ってしまうとか。
伝統を守りながらも、他の蒸留所がしないことをし
ミチョアカンから寄りよせた松の木の発酵層は、
3000リットルのものから、6000リットルのものまで。
現在、生産量を拡大中で、大きなタンクに切り替えている途中の段階でした。
自然発酵で5日間という時間をかけて発酵した後に、蒸留過程へ。
1934年から使用しているボイラーもあり、家族の長い歴史を感じます。
蒸留は、ヘッドとテールを大幅にカットし、
上質なものだけ使用するため、
モストの状態で6000リットルだったものが、1回の蒸留で20000リットルのオルディナリオになり、2回目の蒸留で400リットルのテキーラへ。
なんと贅沢なつくり!
レポサド、アネホを作っている貯蔵庫は、ジャックダニエルやジンビームの中古樽を、蒸留所でリチャーして使用。
レポサドは6ヶ月、アネホは18カ月の熟成のため、それぞれ、樽の個性の違った味わいが楽しめます。
もちろん、メローイングは一切しません。
アガベのキャップが特徴的な手吹きのボトルも自社で職員が手作りし、
ボトリングまで同じ敷地内で行われています。
1920年代のボトリング機械を使用して、1日500ケースがボトリングされているそうです。
ちなみに、テキーラ火山の石灰岩で蒸留された井戸水を仕込み水として使用し、
すべてメキシコの大地からくる、自然のままの状態を大切にしています。
アガベ畑も特別に案内していただきましたが、結婚式を行なったり、トラヒネラで池を回ったり、美しい山とアガベ畑に囲まれた特別な場所でした。
最後は、洞窟内のセミナールームで、ブランコ・レポサド・アネホを順番にいただきながら、
ギレルモ氏自ら、サウザ家の歴史やフォルタレサをつくることになったきっかけ。そして、現在の取り組みに関して説明いただきました。
ブランコは、芳醇なアガベの香りにため息がでるほど。
とにかく味わい深く、文句なく美味しい
お土産に、サイン入りボトルもいただいてしまいました。
いつか、日本でいつでも飲めるような日が来ることを願って。
そして、またギレルモ氏にお会いできる日を楽しみに
素晴らしい出会いに感謝の気持ちでいっぱいの1日でした。