ヒグラシの羽化 兵庫県 2021-07月
秋の季語にもなっているヒグラシですが、羽化は初夏から始まっています。
モチロン、秋だけでなく梅雨が終わる頃より大声で鳴き始めていますよ。
ヒグラシと云う名前の由来は、日暮れの頃に「カナカナカナ」と鳴く事から名付けられているようで、カナカナゼミと云う呼び名(地方名)もあるようです~!
この機会に「蝉」と云う漢字の話をするならば、
一般に漢字を分解して左にあるのを部首、右にあるのを旁(つくり)と云われますが、「蝉」と云う漢字を分解すると右の「單」と左の「虫」部首に分解できます。
セミは大きな複眼を持ち目立つ事から、それを意味する象形文字「單」と云う文字が使われていましたが、後年に虫の部首がついて蝉と云う漢字が出来上がたと云われています。
「單」!この文字だけでもセミの形に見えてきませんか?
さて今回は蝉を探しに出かけましたが、現地ではヒグラシの幼虫を採集し撮影は自宅に持ち帰りました。
クーラーの効いた部屋の中で、テレビ番組のドラマ「彼女はキレイだった」を見ながら、カメラを三脚にセットして、セミに動きがあるとレリーズでシャッターを切るだけの横着ぶりな撮影です。
モチロン羽化後、翌日には逃がしてあげましたよ。
それじゃあ!ヒグラシの羽化の写真を~!
野外で見つけた状況での撮影です。
自宅に持ち帰りカーテンに留まらせてみました。
背中が割れて羽化が始まりました
頭と複眼の部分まで出てきました。
翅の部分が出終わりました。
体を後ろに反らしながら体を殻から抜いていきます。
これをエビぞりと云えばいいのか?セミぞり状態と呼べば良いのか?
お嬢さんのようですから、品良く蝉のイナバウアーと云うぐらいにしておきましょう。
さて後は翅を伸ばしていくだけですね。
綺麗な色彩の姿に変貌しました。
此処まで羽化がはじまって1時間が経過しました。
翌日には体の色も変化して、ヒグラシと呼べるお嬢さんになりましたね。
羽化してきたのは雌でした。
実はホントの目的はヒメハルゼミを探しに出かけたのですが、
すでに羽化時期も終盤で、樹の高い所で沢山鳴いていました。
1時間かけて見つけたのがヒグラシ1匹だけでした。
ヒメハルゼミなら現地で自然の状態の羽化シーンを撮影しようと準備してたのですが、ヒグラシなので持ち帰っちゃいましたよ!
幼虫のサイズを抜け殻(脱殻(だっかく))で比べてみましょう。
左が今回羽化したヒグラシの抜け殻です。
右がヒメハルゼミの抜け殻になります。
今回はヒメハルゼミの羽化には出会えませんでした。
こんなに同じ場所で1週間前にはヒメハルゼミの羽化殻は見つかるのにね!