ネプチューンオオカブト Dynastes(Theogenes)neptunes neptunes | 昆虫漂流記

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西日本を中心に昆虫を追いかけています。✌
東へ西へ、過去に未来に昆虫求めて漂流していますが、
近年は、昆虫だけにとらわれず、自然全体から、
観察する眼を持ちたいと思いますのでよろしくお願いします。

ネプチューンオオカブトムシ

Dynastes(Theogenes) neptunes neptunus

 


ネプチューンオオカブトムシはペルー、エクアドル、コロンビア、ベネズエラの各国につななるアンデス山脈北部に位置する西斜面に産すると云われています。

 

ヘラクレスに比べて高標高に産し、燈火採集においても遅い時間(深夜を過ぎてから)に飛来してくる種類と云われています。
発生時期もヘラクレスのように通年見られる(時期により発生数の違いはある)種類とは違い、現地の雨季の初めにあたる4月より始まり7月までが適期とされています。
其の為、南米の標本商(生き虫屋)においても、取り扱われるネプチューンオオカブトの数はヘラクレスオオカブトやゾウカブトと比べてもはるかに少ない。
(今は南米からの野外品の入荷が無くなりどの様に取引環境が変化してるのかは?)

 

 

言うまでもないがこのカブトムシは大型カブトムシの中でも名前がよく知られた種類で、
長く伸びた頭角と前胸から湾曲して前方に伸びた胸角はへラクレスに類似するが、
さらに本種は前胸の正面には左右に並んだ1対の短い角が伸びてます。


学名、和名であるneptunus(ネプチューン)はローマ神話に出てくる海神(ネプチューン)が由来であるのは有名ですが、

ギリシャ神話においてはゼウスの弟、Poseidon(ポセイドン)である十二神の1神(一人じゃなくて1神で良いのかな?)にあたります。

 

名前を表記すると
Dynastes(Theogenes) neptunes neptunus(Quensel,1806)
になりますがヘラクレスをはじめとするDynastes(ダイナスティス属)(ディナスティス属)(オオカブトムシ属)とは少し違いがある事から、
亜属Theogenes(カバイロオオカブト亜属)を使いネプチューンオオカブトとサタンオオカブトを独立種とする考えがあります。

 

ちなみにネプチューンオオカブトにはベネズエラに産する個体を
ローチオオカブト(ネプチューンオオカブト・ベネズエラ亜種)、
Dynastes(Theogenes) neptunes  rouchei(Nagai,2005)

が生息すると云われていますが、
手元には保持していないので記述はしません。

 

飼育においては
他の大型カブトムシと同様に繁殖は可能ですが、
ヘラクレス類と比べると、マットは更に発酵、腐朽した状態の方が好みで
設定温度も25度では高温で死亡、小型の個体が羽化してしまう事を注意しておかなければいけません。
できれば20℃以下で飼育する事をお薦めします。

(とはいえ15℃以下など低温すぎてもいけないのは常識)

 

さて文面が多くなり過ぎたようなのでこの辺りで写真に変更して終盤に~。

 

本種を亜属Theogenes(カバイロオオカブト亜属)の独立種とする考えは、
と爪の部位の形状が違う為で比べて頂きたい。

ネプチューンオオカブトやサタンオオカブトは長い卵状の胕節(フセツ)で爪がついていますが、

Dynastes(ディナスティス属)はより細長い形状である事が判ります。

また長い卵状の胕節部分下に棘状の物が付随しているのも確認できると思います。


小型のネプチューンの写真も添付する事でサタンとの違いも確認出来れば良いと思います。
(サタンのブログ更新の際にも写真の使いまわしを行います)

小型のネプチューンオオカブト

普通サイズのサタンオオカブト

さほど体長に差がない個体で比べてみました。
サタンの場合は前胸正面に沢山の毛が生えていますがネプチューンには短く少量の毛しか生えていません。
またネプチューンには小さくても2対の短い角が生えています。

 


コロンビア産 2005年


同上個体


同上個体

 

 

エクアドル産 2003年


同上個体


同上個体

  

 

飼育個体F1 2002年

エクアドル産


同上個体


同上個体

 

 

飼育個体F1 2002年

エクアドル産


同上個体


同上個体

 

 


雌 コロンビア産 2002年


同上個体


同上個体

 

 

雌 エクアドル産 2004年


同上個体


同上個体

 

なおコロンビア産においては
当時まだコロンビア国内情勢が完全に落ち着いていなかった為
ラベルの真実性は確認出来ませんが、
すでに大手昆虫ショップ「奈〇オオクワセンター」さんでも、
コロンビア産で販売されていたリストも確認しています。


ちなみにこの頃でペア25~30万

 

今回、此の記事に使ってるのはこのサイズの個体です。

 

 

新年になり今年も3月中旬までは
甲虫の標本を使ってのブログネタの季節になります。
ブログを始めた2017年冬の頃はヘラクレス(64匹)の標本でのブログ更新、

昨年2018年はコガネムシ、ハナムグリ、テナガコガネを使っての更新でしたが、
2019年はヘラクレス以外のカブトムシの仲間を使っての更新とします。
(さて何種類の標本が手元にあるのか?ですので自分の確認も兼ねております)
(そんなに多種類ではありません。横着なだけです)
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