ヒメオオクワガタ 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷 2016年08月14日 (岐阜~長野編Part2) | 昆虫漂流記

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ヒメオオクワガタ

岐阜県高山市奥飛騨温泉郷

(岐阜~長野編Part2)

2016年08月14日

 

 

今回の訪問でヒメオオクワガタに出会えるとは、想いもしませんでした。


 自分がオオゴマシジミを探していた谷筋にはヤナギ類の木があります。

周りにはコムラサキがせわしく飛び回り、目的の蝶が現れないために退屈がてらにふと思いたった事がありました。
「ここは標高の高い高山に接する地域、ヤナギ類にはヒメオオクワガタがいないのだろうか?」

時間もある事だし周辺を見回して探して見よう~と!

1本目、2本目、3本目でアカアシクワガタにしては少し大きいクワガタがいるみたいなのでヒメオオかな?

確認できるのは目線から2メートル先の樹の枝の陰ではっきり確認が難しいです。


とりあえず不意に落としてしまった際の為に、

クワガタが確認出来た枝の下方にそろりと着ていた服を枝にくくりつけ大きく広げて準備をし、棒でつついて落としてみる。手早く言えば即席の「たたきあみ」の採集方法を考えました。

高所の枝葉が茂っている場合は他の個体がまだ留っている可能性があるので蹴飛ばして落とす訳にはいきません。

とりあえず不意に落ちてしまった為の準備は済ませたので、カメラで撮影する準備にかかりました。

ファインダーを覗くと、メイトガード(雄が雌を抱え込む姿)をしているようです。

(ヒメオオやアカアシは野外で樹上で見つけた際はペアでいる事が多いので、2匹共を採集できるようによく観察してから採集しないといけません。)

 

ではそろそろ採集です。棒でつついて落とします。

手元に落ちたのは一目でわかるヒメオオクワガタ。1雄2雌。
 標本は保持していますが此処での採集は初めてす。隣の木にも1雄が見えるので同じ要領で捕獲。
 (帰宅後サイズは51ミリ、50ミリで通常のサイズ)
 帰宅後、調べてみると、案外この周辺では見つかってるようですが樹での採集でなく、建物の照明の周辺で拾った個体が多いようですね。
 下山中もヤナギ類、ダケカンバ類、ミズナラ類とルッキングしましたが、他には確認出来ませんでした。

(この採集場所は中部山岳国立公園 に指定されています。特別保護区域も設定されているため、昆虫の採集等に関しては公園法の知識も必要ですよ。)

(国立・国定公園内には普通地域、特別地域など幾つかのランク別に保護が決められています。

特別地域は指定動物の採取が禁止されています。特別保護区域はすべての動物の捕獲、殺傷、採取が禁止されています。~自然公園法~。)

 

また自然の山岳部に足を運んでいるのですから「此処から特別保護区域」などの看板も無いのがあたり前の事ですので、知らずに保護地域に踏み込んでいていきなり逮捕されても、文句や理屈は通りませんので注意が必要です。

北アルプスの周辺地域では、規制地域で昆虫の採集で逮捕され新聞掲載される事例も、よく紹介されてますよ。

 

足元にも高山系の植物がありますので上ばかり見ていないで踏みつけないように優しい心も必要ですね。

(山の写真、花の写真、昆虫の写真に関わらず、カメラ撮影に気を取られて植物を踏みつけている人をよく見ますが、節度とマナーを持ちたいものです。)

 

葉の間から何とか姿がうかがえます。

2016年08月14日 撮影  

 

隣の木の別個体

2016年08月14日 撮影

 

ヒメオオクワガタを見つけた辺りの環境

2016年08月14日 撮影

 

高山のヒメオオクワガタは高温と蒸れに弱いので、カバンの中で蒸れないように飲み水のペットボトルの横で冷やしながら山を歩きます。

2016年08月14日 撮影