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妻「猫」のバックナンバーはこちら→泥棒猫の言い分 目次
猫から届いた、心まで凍るような冷たいメール。
あなたとは友達以上の関係には決してならない。
これを読んだ時、私は潔く身を引こうと感じました。
決断は、傷がまだ浅いうちの方が良いに決まっています。
私は猫にさよならのメールを送りました。
「もうあなたと、普通の友達として付き合う事は俺には出来ません。傷がまだ浅い内にあなたの事は諦めます。さよなら」
もうこれで全てが終わったなと感じました。
薄汚い企業を糾弾する気力も無くなりました。
その企業に騙された人を救う事すらも、どうでも良いやと投げやりになりました。
私はブログを閉じるつもりでした。
既婚者を全面に押し出したHNにしても、やっぱり女性との出会いはあるし、出会いがあれば馬鹿な俺はまた性懲りもなく人を好きになってしまう。
もう懲り懲りだ。
人を好きになるのも、失恋するのも。
もうこれ以上、誰にも傷つけられたくない。
私はアカウントの退会ボタンを探していました。
本気でした。
その時メールの着信音がありました。
猫からのメールでした。
「今電話する。出られる?」
正直、Why?しか浮かびませんでした。
もう彼女とは話したくありませんでした。
同情されるのはまっぴらごめんなのです。
しかし律儀な私は、スルーする事が出来ず、思わずレスポンスをしてしまいます。
「今電話したくない。泣いちゃうから」
私がそう返したにも関わらず、折り返し猫から電話が掛かって来ました。
出ようかどうか迷いました。
数秒迷いましたが、結局私は通話ボタンを押してしまいました。
電話の向こうで、彼女は泣いていました。
「酷いよ」
絞り出すような声で、彼女はそう言いました。
「えへへ」
私は照れ隠しと虚勢から、笑って見せました。
「なんで笑ってるん?」
猫は怒ってそう言いました。
「いや、別に……」
「こんな終わり方って無いやん!酷いよ。わたし嫌やで、こんな終わり方絶対に嫌や」
猫は泣きながらそう言いました。
まるで私の方が彼女を振ったかのようです。
振られて泣いているのは私の方なのに。
「ごめん」
わけが分からず、私はとにかく平謝りをしていました。
「酷いよーっ!」
「……ごめん」
関東と関西。
距離を隔てて、二人の良い大人が泣きじゃくりました。
2017年7月末。
思えば意を決して送ったさよならメールが、この後の二人の人生。そして私達家族の人生を大きく変える事になるのです。
※同じような批判コメントを付ける方が多いので、それに答えた各記事があります。
批判をする前に、まずそちらに目を通して下さい。→ 中傷、反論する者に答える。