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前稿、「マミッチ①」からの続きです。
三年ぶりに電話したにも関わらず、大歓迎してくれて凄く喜んでくれたマミッチ。
彼女の存在は、元カノと別れてからぽっかりと空いてしまった、心の隙間を埋める大きな存在となりました。
最初は遠慮して、数日に一度電話を掛けていましたが、暫くすると毎日掛けるようになりました。
マミッチは、スーパーのレジのパートをしていました。
子供は三人いましたが、二人は既に自立し、三女と三女の彼氏と三人で府営住宅に住んでいました。
年齢は48歳でした。私は当時41歳でしたから、マミッチは7歳年上でした。
割と電話してすぐに、敬語はお互いやめる事にしました。そして私の事をエルさんでは無く、エル君と読んで貰う事にしました。これは元カノがずっと私の事を、エルさんと呼んでいたのを思い出すので、嫌だったのと、マミッチともっと親密になりたいので、さんから君に呼び方を変えてもらいました。
「マミッチの写真見せて」
と私が言うと、
「マミッチ太ってるし不細工やから、写真見せて、エル君に嫌われてしまうと嫌やな……」
と最初は写真を送る事を拒んでいたマミッチでしたが、私が写真が見たいとしつこく言い続けたので、渋々送ってくれました。
写真で見た感じは、確かに太ってはいましたが、まあ言う程不細工では無いなと感じました。
「可愛いと思うけどね」
と私が言うと、
「ほんまーっ!ありがとーっ!」
と言って、マミッチは喜んでくれました。
しかし順調に見えた私達の付き合いに、暗い影が落ち始めます。
話始めて分かったのですが、マミッチはかなりのイエスマンでした。
私が何を言っても、
「エル君凄いねーっ!」
とか、
「エル君さすがだねーっ!」
とか、
「エル君は物知りだねーっ!」
と、べた褒めしてくれるのです。
私がどんな話をしても、肯定ばかりして否定をしないので、一度、普通こんな話をしたら相手がドン引きするだろうと言う酷い話を彼女にしました。
すると、
「エル君は悪く無いよーっ!私はエル君が正しいと思う」
と言うので、
「え?俺が言うのも何だけどさ、これはさすがに酷すぎると思うけど……本気でそう思ってんの?」
と私は聞きました。
するとマミッチは、
「本気で思ってるよーっ!マミッチはエル君の味方だし、エル君の事信じてるから」
と言われました。
正直引きました。
あまりにも私を肯定してばかりなので、最初は褒めてばかりいるマミッチと話すのが楽しかったのですが、徐々に彼女と話すのが苦痛になって来ました。
ですが、彼女と電話をする事だけが、この時の私の心の癒しでしたから、それでも電話は掛け続けました。
それから暫くして私は、精神の不調を理由に、夜の飲食店のパートを辞めました。
元カノが私の元を去った事は、私の心に大きな傷を残しました。相変わらず不眠も続いており、睡眠導入剤がかかせなかったですし、精神的に本業だけで精一杯になってしまったのです。
イエスマンのマミッチでしたが、傷心の私には、一切否定をしない彼女は都合が良かったのかも知れません。
一度彼女の誕生日に、安物のMP3(300円くらい)に、私の好きなアーティストの曲を入れて彼女に郵送でプレゼントをした事がありました。
安物にも関わらず、マミッチは凄く喜んでくれて、毎日聞きながら通勤してくれました。
彼女のこう言う素直な性格は、とても素敵だなと思いました。
マミッチは本当に、優しくて可愛い女性でした。
彼女に会いたいと私が想うまで、それ程時間は掛かりませんでした。
※同じような批判コメントを付ける方が多いので、それに答えた各記事があります。
批判をする前に、まずそちらに目を通して下さい。→ 中傷、反論する者に答える。