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「マユ⑥」からの続きです。
4本の「元カノを考察する」記事を読んだ方は、マユが不気味で気持ち悪い人間だと思われた事でしょう。
しかしこの時の私には、彼女の本性は分かりませんから、とにかく同棲していた彼を失ってしまった、傷心の彼女の力になりたいと考えていました。
彼女が少しでも元気になり、暗い過去を忘れられるように、毎日電話をしましたし、メールも頻繁に送っていました。
私達が初めてデートをしてから、一週間が経過した頃だったと思います。
突然彼女が、不思議な事を言いだしました。
「マユさ、元カレに会って来るわ」
胸がざわつきました。
「え?元カレって、北海道の不倫相手だった人?」
「うん、そう」
「え?なんで今更?」
「んー、うまく言えないんだけど、マユなりのけじめかな」
「けじめ?」
「うん、けじめ」
「……元サヤに収まるって事は無いよね?」
「それは無いよ。理由は言えないんだけど、これはマユのけじめなんだ。だから信じて待ってて」
「……うん」
とこのような会話がなされました。
彼女はその数日後、北海道に旅立ちました。
「マユが北海道にいる間は、メールは良いけど電話はしないでね」
と言われていましたから、私は電話を我慢していました。
ここで少しマユの元カレの事を補足しておきます。
彼女には死んだ彼の前に、7年程付き合っていた不倫彼がいました。
別れた理由は、彼女の発言によると、
「7年も付き合ったし、もう良いかなと思って」
だそうです。
不倫彼と付き合っている時に、モナスとSNSのゲームで出会い、不倫彼を振ってモナスと付き合うようになった。と言うのがマユの説明です。
しかしこの元カレ夫婦。
7年も不倫をしている間には、普通に結婚生活を送っていたのに、マユと別れた直後に不思議な離婚をしています。
そして元カレは離婚が原因で精神を病んだそうです。私と付き合っていた時にも、元カレからちょくちょく連絡が来ていました。私が難色を示すと、
「彼、精神病んでっからね、下手に断ると自殺とかしかねないから、マユも仕方なくメールだけは返してるんだ」
と言いました。
それを聞いた私は、
「病んでいるなら仕方ないね、彼の力になってあげてよ」
と返しました。
違和感はありました。でも私は彼女の言葉を信じたかったのだと思います。違和感の正体を突き止めずにうやむやにしてしまいました。
しかし、今考えるとおかしな事ばかりです。
それに関しては、次回の元カノを考察する記事で記すとして、本編の続きです。
けじめをつける。
と言うわけの分からない理由を残し、元カレに会いに北海道に旅立ってしまったマユ。
この時の私は、メールをする事以外は許されていませんでしたから、悶々としながら仕事をしていたのを覚えています。
モナスと付き合う時に、きちんと別れているならば、その時にけじめはついているはずですし、今更なんのけじめを付けるのだろうかと私は考えましたが、彼女の考えている事は全く理解出来ませんでした。
彼と会って、再び体の関係になりはしないだろうか。とか、元さやに戻ってしまい北海道に帰るとか言われたらどうしようか。などと消極的な事ばかり考えていました。
彼女に対する恋心が日増しに強くなっていくのを感じていました。この時の私にはマユが全てだったのです。
数日後、マユは関東に帰って来ました。
「ただいま」
と言うマユに対し私は、
「おかえり、けじめはついたの?」
と言いました。
「うん。けじめはついたよ」
「そっか」
「元カレに、エルさんの事言ったんだ」
「え!?そうなの?」
「うん。そしたら、そんな大変な時期に支えてくれる人がいて良かったねって、自分は力になれないからごめんねって」
「あ、そっか」
「うん。ちゃんとさよならして来たよ」
マユはどこか吹っ切れたような感じがしました。
会話は当時の記憶ですから、違った表現もあるかも知れませんが、大体こんな感じでした。
私はこの元カレとのやり取りを聞いて、この時に元カレとは完全に別れたと思っていましたし、後程彼とまだ連絡を取っていると聞いた時に、疑問符しか浮かびませんでした。
マユが何故元カレに会いに行ったのか、そして二人の間にどんな会話がなされたのか、マユはそもそもどういう気持ちで北海道に旅立ったのか……。今なら分かる色々な事がありますので、それは考察記事にて次回詳細に記したいと思います。
※同じような批判コメントを付ける方が多いので、それに答えた各記事があります。
批判をする前に、まずそちらに目を通して下さい。→ 中傷、反論する者に答える。