他人に言えない恋愛篇 その13「クミちゃん⑩」 | 私が不倫をした理由

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ヒステリックなモラハラ妻との、まるで地獄のような20年間の結婚生活から離婚までの記録を綴っています。

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 夜行バスに乗って、兵庫県行きを決定した私。

 バスの予約も済み、Xデーは徐々に近づいていきました。

 

 前妻の、

「女に会いに行くんでしょ?突然一人旅とか怪しいもん」

 と言う疑いの口撃を、何度も何度も交わしました。

 クミちゃんに会いたいという強い気持ちが無かったら、途中で嫌になって旅も取りやめにしていた事でしょう。

 

 

 

 クミちゃんとは、兵庫県に行ったらどこに行こうか?などと言う話をしました。

 姫路城は第一候補でした。

 

 

 夜行バスは、現地に早朝に到着します。

 私は彼女に本題を切り出しました。

 

「あのさ……」

 

「どしたん?」

 

「いやさ、夜行バスって早朝に到着するじゃんか」

 

「うん」

 

「でさ、大体お店とか開店するのって、10時くらいでしょ」

 

「うん」

 

「だから、それまでの間ラブホでイチャイチャしたいんだけど」

 少し前に、セックスのリハビリをしてと彼女自身が頼んで来たくらいなので、恐らく大丈夫だと思いました。

 ドキドキしながら返事を待つ私。

 彼女は意外とあっさりとこう言いました。

 

「ええよ」

 

「ほんとー。うん、じゃあ当日楽しみにしておくわ」

 正に天にも昇る気持ちでした。

 大好きな彼女にやっと会える。

 やっと触れ合える。

 

 

 

 しかしこの数日後、Xデーを控えた一週間後、突然クミちゃんとの連絡が取れなくなりました。

 何度メールを送っても、返事は帰って来ず、何度電話をかけても空しくコールが鳴り響くだけでした。

 

 困った私は、彼女のリアルな友人で同じSNSをやっている女性にメールをしてみました。

 実は夜に三人で食事をしようと言うプランになっていたのです。

 

「突然クミちゃんと連絡が取れなくなってしまったのですが、彼女に何かあったのかご存知ですか?夜行バスの日にちも近づいてきていますし、なるべく早めに連絡をくれると嬉しいと伝えて下さい」

 しかしこの彼女の友人に送ったメールも、返事が来る事はありませんでした。

 

 私はクミちゃんにこうメールしました。

 

「どうしたの?会うのが突然怖くなったの?もしあれなら、ラブホとか行かなくても良いから、会うだけでも会ってくれないかな?」

 

 返事無し。

 

「俺、当日クミちゃんが来てくれなくても、夜行バスに乗ってそっち行くよ。来なくてもずっと待ってるよ。良いの?」

 

 返事無し。

 

 

 

 この時、連絡が途絶える前の晩の会話を思い出しました。

 

「エルさんは、私と会ってどうしたいん?」

 

「どうしたいって?」

 

「その……つまり、結婚とか」

 

「うーん。仲良くなればそれもあるかも知れないけど、まだ一度も会った事無いしさ、とりあえず一度会おうよ」

 

「エルさんは私と会ってそれで満足するかも知れないけど、私の気持ちはどうなるの?」

 

「うーん……」

 

 彼女は彼女なりに、会った後の事を悩んでいたのでしょう。

 でも、それでも、会うと一度決めて約束したのです。

 

 それにこちらは、気軽に会いに行ける立場では無いのです。

 夜行バスの予約までして、前妻にも何とか行く許可を得たのです。

 それをドタキャンは、いくら何でもあり得ません。

 私は怒りと悲しみが入り混じったような、何とも言えない気持ちになりました。

 

 

 

 

 

 さて、クミちゃんと連絡が途絶えてから、四日が過ぎようとしていました。

 この夜も前妻の口撃がありました。

 

「もう少しで女と会えんじゃん。楽しみだねー」

 

 前妻の口撃を何とか交わし続けられたのも、クミちゃんという存在があったからです。

 しかし今や彼女の存在すら怪しくなってきました。

 もしかしたら、兵庫県までわざわざ行っても、一人ぽつんとバスターミナルで時間を潰すはめになるかも知れません。いや、そうなる可能性の方が高いのです。

 前妻のしつこく繰り返される口撃に、ぷつんと自分の中の何かが切れる感じがしました。

 

「うるせえな。行かなきゃいいんだろ!大阪には行かねえよ!」

 私はそう吐き捨てると、周囲の物に当たり散らしました。

 

 

 

 結局私は、翌日夜行バスをキャンセルしました。

 

 

 

 この時のクミちゃんの気持ちは、未だに分かりません。

 とにかく私は心から傷付きました。

 

 

 

 しかし彼女を諦めきれなかった私は、その後も凝りもせず彼女に電話してしまうのです。

 そうです。

 彼女とはまだ終わらないのです。

 

 

 

 

 

※同じような批判コメントを付ける方が多いので、それに答えた各記事があります。

 批判をする前に、まずそちらに目を通して下さい。→ 中傷、反論する者に答える。