2010/6/22
相撲界の不祥事が止まりません。
暴力団がらみの野球賭博や賭け麻雀はもってのほかですが、
仲間内のトランプで、小金を賭けるのもいけないとなると、
中学生の修学旅行の宿舎もガサ入れしなければならない
でしょう。
あまりにもヒステリックに糾弾すると、大きな体のお相撲さん
も萎縮して、小さくなってしまうでしょう。
世論の追究は、相撲協会の自主規制を極端に推し進めて
しまうかもしれません。
たとえば・・・
・喧嘩はご法度。
・品の悪い言葉も使用禁止。
・現役力士は禁酒禁煙。
・暴飲暴食を謹しみ、毎日タニタの体脂肪計で健康チェック。
・張り手、猫だまし、けたぐりなどという卑怯で野蛮な戦法は
すべて 禁じ手とする。
かくして相撲は、人並みはずれた大男が演じる、祝祭としての
芸能という、非日常的な性格を削ぎ落とし、ステレオタイプで、
均整の取れた好青年達が正々堂々と戦う、紳士のスポーツとな
るのです。
スポーツとしての相撲は、どこまでも健全でしょうが、味気の
無い、魅力の欠けたものにならないでしょうか。
安全安心の、母親が奨めるおやつを食べるよりも、合成着色料
で舌が真っ赤になるような駄菓子を、親に内緒で買い食いする
方が、子供には楽しいものなのです。
文部科学省が推薦する課題図書よりも、PTAに糾弾され、悪書追
放ポストに投函されるような漫画こそ、時間を忘れて読みふけっ
たのではありませんか？
店の企画も同じです。
世間の評判を気にするあまり、店の商品やサービスが、無難で
あたりさわりのないものばかりになると、特徴は無くなり、
「間違ったことはしていません」
という自己弁護のメッセージしか、お客様には伝えられないこと
になります。
唖然とするタニマチを前に、一升瓶をボーリングのピンよろしく
並べ、次々に飲み干しながら、焼き鳥100本に寿司10人前をぺろ
りと平らげて、どんなもんだと高笑いする。
優勝賞金など一晩で飲み尽くしてしまう、
『のたり松太郎』（ちばてつや作）
のような破天荒で豪快な力士も、これからは、ドロップアウトを
余儀なくされるのです。
そして、品行方正な、健康優良児出身の草食系力士ばかりが幅を
利かすようになることでしょう。