2010/1/22
人生に失敗はつきものです。
入学試験、恋愛、就職、結婚・・・。
満を持して始めた事業が、努力の甲斐なく失敗に終わって
しまうことだってあります。
過去において、決して取り返しのつかない過ちを犯してし
まい、魂を半ば喪い、精神がずたぼろになって壊れてしま
ったとしても、再び立ち上がる勇気を取り戻すことは出来
るのでしょうか？
『ずっとあなたを愛してる』(フィリップ・クローデル監督）
は、そんな重いテーマに正面から向き合った映画です。
ネタバレになりますので、これ以上映画については触れま
せんが、主人公の蹉跌に比べれば、店の経営の1度や2度や
3度や4度の失敗程度のことで、めげることはないのかもし
れないと、方向違いの感慨に浸りました。
大きな失敗は、時に、正常な感覚や感情を狂わせます。
途方にくれて呆然としている身には、すべてが他人事のよ
うにしか感じられません。
表情は動きを失くして能面となり、五感は麻痺します。
歩いていても地面は頼りなく、宙に浮かんでいるかのよう
です。
しかし、夢と現実の境界が曖昧で、流されるように生きる
いくばくかの時間は、誰にも必要な充電期間なのです。
特別なきっかけがなくても、誰にも処方される「時」とい
う万能薬は、少しずつ、しかし確実に、壊れた心身を再生
してくれます。
自分の両足が、確かに大地を踏みしめていると実感でき、
自らの息遣いや心臓の鼓動を、かけがえのないものと、心
底いとおしむことが出来るようになれば、完治です。
病気を克服した心身は以前より逞しさを増し、以後の可能
性を、より大きく広げてくれることでしょう。
失敗は、大きな飛躍の必修科目！
臆することなく、前向きに、力強くチャレンジしていきま
しょう！