ちょっとしたこと | 店舗探し.comの過去コラム

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2007年1月号

丸い鉛筆を六角形にする。
乗り換えや出口がわかりにくい地下鉄の乗り換えマップを作る。

きっかけは、日常生活の中で感じたり不便に思っているちょっ
としたこと。でも、それがビッグビジネスに化けることがあり
ます。
だから、『アイデア発明で大儲け』などの成功談を聞いたりす
ると、とたんに周りをきょろきょろ見回して、「なんかないか
な」といきなりエジソンを目指したりします。

一方、異臭や異常音など普段と違うちょっとした変化を軽視し、
計器の示す数字だけを盲信したために爆発事故を引き起こして
しまったり、1mmにも満たないサイズ違いのねじのつけ間違い
が、航空機事故を招いたりなどの例は枚挙に暇がありません
(『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』ジェーム
ズ・R・チャイルズ著/草思社に詳しいです)。

一人ぐらいはいいだろうと、ぶどう酒のかわりに水を詰めて持
っていったら、他の村人全員も水を持ってきてしまったという
寓話など、ちょっとしたつもりのことが、ちょっとしない結果
を招くという教訓も、たくさん持っているはずなのに・・・。

賞味期限切れの原料を使用しての商品提供など一連の不祥事も、
表に出てきた結果はひどいものですが、さかのぼってそのきっ
かけを追究していくと、最初はちょっとした出来心といった類
のささいな出来事にたどりつくのではないでしょうか?
たとえば・・・。

その日は忙しくて作業は遅れ気味です。
予約のお客さんはいらいらして待っている。急いで作ろうとし
たら、うっかりして卵を割ってしまった。
必要分は10個。どうしても1個分だけ卵が足りない。
新しい卵を買いに行く時間的余裕はもうない。と、冷蔵庫の奥
を覗き込んだら、昨日で期限切れの卵を発見。
さて、どうしよう?
どきどきしながらも、今日だけだからとつい期限切れ卵を1個
混ぜてしまう。

一線を越えてしまっても深刻な事態を招かなかったとすると、
次に同じ事態を迎えたときには、最初の時より抵抗なく、また
同じ道を歩いてしまうのではないでしょうか。
しかも2回目には、おととい期限が切れた卵を2個まぜてしまう
のです。 
そして、それはいつしか店の風土として根付いてしまうことで
しょう。

ちょっとしたことは、実はちょっとしたことではないのです。
むしろ細部にこそ本質は宿るといってもいいのではないでしょ
うか。

一見たいしたことではないと思えたり、ちょっとした事だと、
つい軽視したり、そのまま見過ごしてしまいそうになる時にこ
そ、本当にそれでいいのかと立ち止まって想いを至らすことが
必要なのだと思います。 
そしてその態度と覚悟こそが、あなたの事業の未来を支えてく
れることでしょう!