2010/10/29
起業はいわば博打です。
博打である以上、大勝ちすることもありますが、思惑が
はずれて、すってんてんになってしまうことも、覚悟しな
ければなりません。
起業に大失敗して何もかも失ってしまったらどうするか？
この本は、救いのバイブルとなるかもしれません。
『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』
坂口恭平著 太田出版
所持金なし、宿もなし、仲間も家族もなし・・・。
そんな状態で、東京のド真ん中に放り出されてしまった
あなたはどうしたらいいのでしょうか。
とりあえずは台東区へ向かってください。
台東区だけは毎日炊き出しがあるので、食べ物に関しては
永遠に困ることが無いからだそうです。
食が安定したら衣服、ということになりますが、これは
しかるべき教会へ赴き、週に2,3回礼拝をすると入手できる
そうです。
住に関しては、快適なダンボールハウスの作り方が詳細に
図解されています。
・・・と、ここまでは、まだまだほんの序の口、いわば
入門編です。より快適な生活をするための、応用編の
ノウハウは、このあとにもぎっしり詰まっています。
いずれにしても、視点を改め、資本主義の埒外から眺め
直してみると、都市は、資源溢れる豊潤な世界なのだ、
ということに気付くことができます。
固定観念の呪縛を解き放てば、それだけでも心豊かな
生活が営めるものなのでしょう。
著者が「多摩川のロビンソン・クルーソー」と呼ぶ、
河川敷に住む人の暮らしぶりは、もはや路上生活という
枠組みを超え、自らの力で都市から独立して生きている、
本質的な意味での"都市型狩猟採集生活"と言うべき
ものです。
「根源的な意味で家を建て、生活を行い、自分にしか
できない仕事をするということ。それはすべての人間
に与えられた可能性である。」
本書には、数多の独立開業ノウハウ本にはない、しかし、
起業を成立成功させるための核心に迫るヒントが隠されて
いると思うのです。
起業を成功する役に立つだけでなく、万一失敗したとき
の備えにもなります。
是非一冊いかがですか？