胎児の顔 | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/7/11

忙しさは人から余裕を奪い、視野を狭めさせます。思考も浅く
なって判断力は低下します。
イライラが高じるとやがて厭世観に支配されるようにもなります。
 
危険信号を感じたら、思い切って休暇を取り、大自然に自分を
投げ出して、何も考えずにぼうっとした時間を過ごす。

すると、私たちが日頃支配されている24時間で一巡りする「昼夜
リズム」とは別に、25時間で周期する「潮汐リズム」にも影響を
受けていることに気づくことができるでしょう。
 
人は、時間のわからない部屋で長期間、好きなように寝起きして
いると、「25時間」という周期が顔を出して、約2週間で昼夜の
逆転現象が起きてしまうことが知られています。
地球の自転による月の引力が、朝な夕なに引き起こす潮の干満の
リズムに、人間が支配されている何よりの証拠なのです。
 
『内臓とこころ』
  三木成夫著 河出文庫
 
受胎32日目の胎児の顔は「フカ」そっくりの顔をしています。
生きた化石といわれる「ラブカ」のエラの顔だと著者は言います。

それが36日目になると胎児の顔には爬虫類の面影が漂ってきます。
ニュージーランドの沖合に浮かぶ孤島に細々と生を営み続けて
いる「ムカシトカゲ」の顔です。

38日目の顔は「ミツユビナマケモノ」、胎児はようやく哺乳類の
顔になってくるのです。

受胎32日から38日のわずか1週間に子宮のなかで起こるのは、
脊椎動物5億年の進化の歴史の再現なのです。

「個体発生は宗族発生の象徴劇である」

解説では、こんな言葉で著者の思想を説明しています。

人間は宇宙の一部であり、塵のような存在でありながら、その
体内にも小宇宙を抱えている存在なのです。

大自然の懐に抱かれて「潮汐リズム」を実感できるほどの休みが
取れる余裕があれば、そもそもここまで疲れが溜まるわけがない、
とイライラが募る方!
せめて本書を読むことで、ガス抜きをしていただければと思います。