一発屋 | 店舗探し.comの過去コラム

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2012/7/12

「ワイルドだぜぇ」

今年のR-1で準優勝。
今やソフトバンクのCMにも出演して大ブレイク中のスギちゃんは、
一発屋で終わってしまうと思いますか?
先日のテレビ番組で一般人にアンケートを取ったところ、およそ
8割の人が一発屋で終わると思うと答えていました。

「一発屋」は元々野球用語で、ホームランばかりを狙う選手を指し

ました。
このような選手は、華々しい活躍をすることもありますが、概して

打率は低く、三振が多いなど安定的な活躍ができずに、一過性の

活躍に終わってしまうことが多く、芸人や歌手などにも使われる

ようになりました。

英語では“one-hit wonder”というそうです。
島田紳助さんは一発屋のことを


「時代とたまたま交通事故を起こした人」


と言っています。

揶揄される表現として使われることが多い「一発屋」ですが、
どうしてどうして、こんな人もいます。

『浪曲子守唄』で知られる一節太郎さんは、レコーディングに
あたり、この曲のためだけに、わざわざ声をつぶしました。

独特のだみ声は、確かに『浪曲子守唄』にはふさわしいですが、
以後、普通の歌は歌えなくなってしまいました。
それほどまでにしてこの曲のヒットにかけた執念はすさまじい

ばかりです。

ちなみに『浪曲子守唄』のB面は『一発節』。
「一節」という芸名といい、胸のすくような覚悟の良さではあります。

『浪曲子守唄』は現在までに200万枚以上を売り上げただけでは
ありません。
一節さんの、このたった一つのヒット曲は、発売後50年近くを
経てもまだ年に2万枚売れているのだそうです。

自身も一発屋と言われることが多いせんだみつおさんは、こう
語っています。


「一発売れるのに、幾度も苦労し、一発も売れなかった奴もいる
 んだよ・・・」

「ワイルドだぜぇ」のスギちゃんは芸人生活18年間、鳴かず飛ばず

で苦労をしてきました。
スギちゃんの両親は、5年ほど前まで「まじかるタケシとチャイナ

百合子」という夫婦マジシャンでした。
現役生活28年、ついに1度もブレイクしないまま、夫婦で舞台に
立ち続けたそうです。

一瞬で消え去る花火のようなきらめきかもしれなくても、少なくとも

今、確かに時代のスポットライトを浴びて光り輝いているスギちゃん。

息子の晴れ姿を目に焼き付けておられるだろうご両親を思うと、
胸が熱くなるのです。