2011/6/22
“商品はすべて完売!
次回入荷は2024年です。”
アメリカのミズーリ州コロンビアにある自家製アイスクリーム屋「スパーキー」では、店の裏庭から死んだセミを回収し、よく煮てからチョコレートでコーティングして、ブラウンシュガー&バター風味のアイスに混ぜて販売しました。
このセミアイスは従業員がお店のショーケースに入れる間もなく、ものの30分ほどで売り切れてしまったそうです。
材料に使われたセミは、13年に一度、繁殖のため地面から出てくる
「13年ゼミ」です。
周期ゼミとも素数ゼミともいわれ、他には17年ごとに発生する「17年
ゼミ」が知られています。
ミズーリ州では今年が13年ゼミの当たり年ということで、セミがいたるところで大発生していることもあり、店のオーナーがこのような突拍子もないセミアイスを思いついたというわけです。
地元衛生当局からは「セミの(適切な調理法などの)食品基準はない」との回答があり販売を控えるよう助言を受けたそうです。
「スパーキー」では販売中止を決定し、冒頭の張り紙を店頭に張り出しました。
ユッケの集団食中毒事件によって、牛肉などの生食については厚労省に強制力のない衛生基準しかないことが明らかになりました。
各自治体の調査ではかなりの飲食店がこの衛生基準を満たしていないことも判明しています。
一方では、原発事故によって放射能汚染に対する危機意識が敏感になり、野菜、海産物、乳製品への影響も懸念されています。
美味しいものを食べることへの執着が強い人間は、地球上に存在するあらゆるものを口にしてきました。
毒キノコ、フグの肝・・・。
生命の危険と隣りあわせだということがわかっていても、貪欲なまでの食への好奇心は、押さえがたいものなのでしょう。
おそらく、人間はこれからも本能の赴くままに、新しい美味しさを果てしなく求めて行くことでしょう。
しかし、自らが毒を垂れ流して新種の毒キノコを作り出すようなマネだけは、決してしてはいけないのです。