足して2で割る | 店舗探し.comの過去コラム

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2012/3/21

 

吸地、浸し地、八方出汁・・・。
佑庵地、若狭地、煎り酒・・・。
土佐酢、吉野酢、ポン酢・・・。

 

合わせ出汁やつけ地、合わせ酢など、和食の味付けには、料理に
よってそれこそ無数のバリエーションがあります。
素人にはとても覚えきれるものではありませんから、いつまでた
ってもレシピが手放せないものです。

 

「とりあえずなんでも1:1:1にしてみなさい。」

 

ある料理研究家から教わりました。

 

「塩やしょうゆ、みりんや酢など使う調味料が何種類かある場合
  には、いったん同量ずつ合わせて味見をし、その後に物足りな
 いと感じた調味料を加えればいいのです。
 家庭で料理をするためにいちいち混ぜる割合を暗記する必要は
 ありませんよ。」

 

そう教わってから、自宅で料理をする心理的ハードルがずいぶん
下がりました。

 

「対立している両者の言い分をよく聞く。そしてそれを足して2で
 割る。
 それが政治というものだ。」

 

衆議院議長まで務めた大野伴睦氏が残した言葉です。

彼は、さほど必然性の無い地元の「岐阜羽島」に無理やり東海道
新幹線の駅を作らせたとか、事務所にやって来た見ず知らずの青
年に頼まれて無造作に大金を貸してやるなど、お騒がせエピソード
に事欠かない政治家でした。

 

ずいぶん大雑把な物言いではありますが、なかなか魅力的に聞こ
えてくるのは私だけでしょうか。

 

どうせなら完璧に仕事をやり遂げたい、とまじめに考えれば考え
るほど、細部の欠点が気になって仕方がなくなります。
その対策や修正に腐心して手間を掛けすぎると、その時間の分だ
け仕事は前進しなくなり、結果的に、課題解決のゴールが遠のい
てしまいます。

 

少々の不具合は覚悟して「1:1:1」や「足して2で割る」流に、
まずは思いきって踏み出すことが大切なのでしょう。
前へ進む力が強ければ、少々の瑕疵によるマイナス分を補って余
りある、大きな成果が上がるのですから。