マグネット効果 | 店舗探し.comの過去コラム

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2013/2/27

 

生後間もない乳児は、日本語や英語、ドイツ語といった各言語間
にある子音を聞き分けることができます。
これを「カテゴリ知覚(範疇化知覚)」と言います。

 

ところが、生後7~8ヶ月となると、母国語にない範疇は消失して
しまいます。
その後は、すべての音韻は母国語のいずれかの音に引き込まれる
ようになります。これを「マグネット効果」と言います。

 

日本人がRとLを区別できないのは世界的にも有名ですが、これも
マグネット効果によるものです。

 

「私は米をおいしく食べます。」

 

rice(コメ)とlice(シラミ)を間違えずに発音するのは難しい
のです。


いっそのことanimalは“エネモウ”と、hospitalは“ハスペロウ”
とカタカナ英語に書き直して発音した方が実用的だとか。
なまじ「アメリカン」と気取って言うより「メリケン」と発音す
る方がよほど通じるという人もいます。
 
これを逆方向から言うと、英米人にはラ行の発音は難しいことに
なります。
「借りられる」のようにラ行が連続すると、日本人のように素早
く舌は回りません。
 
流通業界にも「マグネット効果」があります。

 

一般に、集客力のある大型のテナントがSCに入ることで、他の店
舗の集客力も高まったり、特定の商品の集客力によって、店舗全
体の集客力が高まる効果のことを言います。

SCでいえば“キーテナント”“核店舗”と言われるテナントはま
さにマグネット効果を期待して導入されるのです。
 
キーテナントと言えば、かつては食品スーパーやGMSがほとんど
でした。

しかし、現在では、家電量販店や大型実用衣料品店、総合アミュ
ーズメント施設など、複数の大型店を導入する傾向が強くなって
います。
地域間競争やSC間競争が激化している証拠でしょう。
 
もちろん、お客様を引き付けるマグネットの役目を、キーテナン
トにばかり頼っていてはいけません。

たとえば駅直結のデパ地下入口の人気スイーツ店は強力なマグネ
ットです。
また、人気ショップが用意した福袋の魅力次第で、新年の各SCの
スタートダッシュは左右されてしまうのです。
 
限定メニュー、原価割れ目玉商品、人気占い師・・・。
各テナントごとの磁力の総量が、SC全体の集客力を決定するのです。