2011/2/15
私たちはまだまだ大切なことを見過ごしたり、軽視したり
しているのかもしれません。
『ハーフ・ザ・スカイ
～彼女たちが世界の希望に変わるまで』
ニコラス・D・クリストフ＆シュリル・ウーダン著
英治出版
「空の半分は女性が支えている」
という中国のことわざにもかかわらず、今この時も、同じ空
の下のどこかで、女性であるがゆえに奪われている命があり
ます。
（本書より）
世界は男性と女性とでできているのに、口に出すのも恐ろし
いような悲惨でむごたらしい扱いを受けている女性達が、
この地球上にはまだまだ多数いることに戦慄を覚えます。
もっとも、自分の身の回りの「世界」を考えてみても、その
小さな世界の自分以外の半分を占めている存在を不用意に軽
視してしまっていることが間々あります。
夫婦という、家族の最小単位における「妻」もしくは「夫」。
商取引の現場における「取引先」。
会社という世界の「同僚」。
そして、店にとってもっとも大切な「お客様」。
緊張感を持って始めた関係であっても、時間が経つうちに
馴れ合ってしまい、高をくくったり、見下したりしていくよ
うになりがちです。
しかもそれは、時間の更なる経過によってどんどん増幅して
いってしまいます。
小さい島世界のちょっとした慢心や気の緩みは、隣り合った
世界にも伝播し影響を及ぼしながら周辺世界に蔓延していく
のでしょう。
それは時には、政変という目に見える大きな事件として波紋
を広げることもあります。
同じ世界にいる相手を、かけがえのない存在としていつまで
も尊重し続けることで、周囲を取り巻く世界の安定にも貢献
することができるのでしょう。