少ない休日 | 店舗探し.comの過去コラム

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2012/2/14

「今年は最悪だよ。」

昼食に入った定食屋で、サラリーマンが同僚と嘆いている声
が聞こえてきました。

なんでも、今年は、祝日が土曜日と重なる日が4日もあり、
さらに閏年のために、1年間の労働日がもっとも多くなるの
だそうです。

月給制で働いていると、2月が29日あったからといって給料
が増えるわけではありませんから、彼らの嘆きももっとも
かもしれません。

ある中小企業のオーナー経営者のブログを読んでいたら、
まったく逆のことが書かれていました。

今年は5日も営業日が増えるから、その分、売り上げ増が見
込める、なんといい巡り会わせだ、と。
経営者の立場からすれば、いつもと同じ給料の支払いで、
営業する時間だけが増えるのですから、喜ぶのは当然とも
いえます。

人は誰でも得をしたいものです。

固定給なら、働く時間が少なくなればなるほど時給単価が
上がり、ワリが良くなります。
休日が増えた分だけ、就業時間が短くなった分だけ得にな
ります。

休日日数に限りません。

上司に見つからないようにうまくサボったり手を抜いて楽
ができれば、労働当りの給料は相対的に高くなりますから
得になります。

これが店舗ならばどうでしょうか。

店が暇でお客様が来ない方が楽ができます。
いつもよりたくさんのお客様が来た日には、同じ給料でた
くさん働かなければなりませんから損をします。時給で働
くアルバイトやパートさんが、つい不機嫌になってしまう
のは自然のことなのです。

では、上司の目が届かないところでも社員が手を抜かず、
お客様が多く来てもアルバイトが感じ良く振舞うようにす
るためにはどうすればいいのでしょう。

成果報酬や請負制度を導入し、報酬システムそのものを見
直す方法もあるでしょう。

また、お金以外の価値、たとえば仕事を通じて社会貢献で
きているという充実感が、従業員の不満を解消することも
あるでしょう。

いずれにしても、

「仕事をしなければしないほど得をする」

という、固定給制度が内包する根源的で本質的な“個性”
を、しっかり理解、認識したうえで制度設計をしなければ、
狙い通りに機能することはないのです。