キャプテン・クックの日 | 店舗探し.comの過去コラム

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2014/2/13

邪馬台国の所在地をめぐっては北九州説と畿内説を代表と
して様々な論争が繰り返されてきましたが、いまだに結論は
出ていません。
 
カメラもボイスレコーダーもない歴史を検証するのは難しく
遺跡が発掘されるなど、新たな証拠が出ない限りは、史実と
して認められているものを否定することは不可能です。
 
しかし、明日2月14日を「バレンタインデー」とする胡散臭
さは、ネットを2、3回検索するだけでも明らかにできます。
 
バレンタインデーはキリスト教の聖人ヴァレンタイン(ウァ
レンティヌス)の殉教日から来ているとされています。

しかし、そもそもこのヴァレンタイン氏は本当に実在したの
かどうかもはっきりしていないのです。
ローマの司祭、インテラムナの司教、ローマ帝国領アフリカ
の殉教者などなど、諸説ありますが、いずれも決め手に欠け
ます。

実際、第2バチカン公会議後1969年の典礼改革では、史実上の
実在が明らかでない聖人たちは整理されました。
現在カトリックの聖人暦に彼の日(St. Valentine's Day)は
ありません。
 
2月14日が忌日だとしてはっきりしている有名人の中に、キャ
プテン・クックこと、ジェームズ・クックがいます。

ハワイ諸島を発見し、また正確な海図を作成したことでも知
られるクックですが、もう一つの大きな功績があります。
 
それは、第1回航海において、史上初めて壊血病による死者
を出さずに世界周航を成し遂げたことです。
壊血病は大航海時代には、海賊以上に恐れられていました。
ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見の航海においては、
180人の船員のうち、なんと100人がこの病気にかかって死亡
しています。
 
壊血病は、ビタミンCの欠乏によって起きます。
そんな知識がなかった時代、長い航海の間、栄養の偏った食
事を続けていたために猛威を振るっていました。
壊血病にかかっても、当時流行していた瀉血療法など誤った
処置が取られたことで、より被害が拡大していたのです。
 
イギリス海軍省のジェームズ・リンドが、新鮮な野菜や果物、
特にミカンやレモンを摂ることによってこの病気の予防が
出来ることを発見しました。
 
これを受けてクックは、この新しい壊血病の予防法を導入し
ました。

新しい療法の導入は、いつの時代でも抵抗を受けるものです。
クックも当初は船員たちから反発を受けましたが、結局、
乗組員全員が柑橘類やザワークラウトを食べるように徹底さ
れ、壊血病による死者ゼロという、偉業を成し遂げました。
キャプテン・クックの指導力がいかに優れていたことかを
示すエピソードです。
 
偉大なるキャプテン・クックは、1779年2月14日、ハワイの
ケアラケクア湾において、船員と先住民との間で起きたトラ
ブルが原因で、刺し殺されてしまいました。
 
賢明なる皆さん!

曖昧な史実に基づく「バレンタインデー」など、この際、廃止
してしまいましょう。
 
この悪しき慣例は、ごく一部のイケメンばかりがいい目を見
て、大多数の心優しきブ男達を地獄へと突き落とすのです。
この時期が近づくたびに心を痛め、命を絶つ者まであるのです。
 
明日の2月14日からは、我らがヒーロー「キャプテン・クック
の日」を創設しましょう。

正当性のある歴史的事実に基づき、彼の忌日に偉業をたたえる
のです。

もてない、もとい、歴史に通じたインテリゲンチャたる男同士
が集まり、オレンジジュースで乾杯し、ザワークラウトを食べ
て、おおいに盛り上がるのです。

これまで誤った歴史を鵜呑みにし、今年もすでにイケメンに
あげる予定のチョコレートを手配済みという女性の皆さん!

素直に反省し、「キャプテン・クックの日」イベントにチョコ
レート持参で参加されるのであれば許して差し上げます。

では、明日。
Viva!Captain Cook Day!!