ショクダイオオコンニャクの開花に | 店舗探し.comの過去コラム

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2010/07/26

既に花は閉じ、悪臭もなく、花序付属体はしおれかけていました。

「ショクダイオオコンニャク」

は、世界で一番大きな花と言われています。
小石川植物園で19年ぶりに開花したとのニュースが流れると、
多くの人が押しかけて行列ができ、警官が出て整理にあたったり
入場制限をするなど、大騒ぎになりました。

ご近所ということもあり、野次馬根性でのこのこと出かけていき
ました。
公開最終日の昨日は、さすがに行列はできていませんでしたが、
それでも普段以上の人出でした。
花そのものはニュースで見たのと変わらず、盛りを過ぎて萎れ
かけていたためか、少々拍子抜けするようなものでした。

昼過ぎのこととて、うだるような暑さです。
公開現場はテントがあるものの、周囲は直射日光に晒されており、
汗は滝のように流れ落ちてきます。
うかうかと出かけてきたことを半ば後悔しましたが、せっかくだ
からと、園内を一周してから帰ることにしました。

ところが、直射日光を避けて木陰に入ったら、すーっと汗が引い
ていくのです。
それまで感じていた敵意むき出しの暑さは影を潜め、木々の緑を
通過した日の光は、どこか穏やかで優しいのです。
時折、肌を撫でるように吹き過ぎるそよ風は、心地よい涼しさで、
思わず立ち止まってしまうほどなのでした。
自然のクーラーに時間を忘れ、木漏れ日を縫って、ジグザグと
歩き回りました。

思わぬ拾い物をした気になって園を後にしました。
しかし、一歩外に出た途端に、容赦の無い陽射しとアスファルト
の照り返しが、まるで親の仇のように襲い掛かってきて、引いた
汗の3倍もの汗が、ドッと噴き出しました。
ビルの日陰に逃げ込んでも、木陰とは違ってどこかよそよそしく、
涼しさは欠片も感じることができません。
クーラーのある家まで、慌てて逃げ帰ったのでした。

さすがに家ではクーラーがギンギンに効いており、まもなく汗は
引っ込みましたが、クーラーから吐き出される風は肌を刺すよう
で、少し不快に感じるのでした。