2012年11月より
初恋の平均年齢は10.4歳だそうです。
6歳以下(小学校入学以前)で初恋をした人が一番多くて27.7%。
次は11~12歳の19.5%。その他を合わせると、小学校卒業までに
74.7%の人が初恋を経験していることになります。
初恋の相手で断トツに多かったのは、同級生で、75.3%にも上ります。
初恋を実らせて結婚までたどり着いた人となるとたった1%なのだ
そうです。
しかし、初恋を成就させたその1%のカップルは、その後の結婚生活
でもうまくいくことが多いのだそうです。
よほど強い運命で結ばれていたからでしょうか?
それとも、これ以外にはチャンスはないとの潔い覚悟の決め方が
後々まで好影響を及ぼすからでしょうか?
いずれにしても、比較するすべがないものを腹を決めてエイやと
選択した後には、存外、事態が好転するという経験は誰にもあるの
ではないでしょうか。
残念ながら、残りの99%の人たちの初恋は実を結びません。
2番目以降の誰かと結婚することになるのです。
秘書問題(結婚問題)というのがあります。
最適停止問題の一種で、応用確率論、統計学、決定理論の分野で特に
研究されているものです。
次のような問題です。
秘書を一人募集したところ、100人が応募してきました。
担当者は応募者を順不同で面接しますが、次の応募者の面接をする前に
採否を決めなければなりません。
いったん不採用とした応募者をあらためて採ることはできません。
この制約下で申し分のない応募者を選ぶ可能性を最大にするにはどんな
戦略を用いればよいのでしょうか?
1966年に統計学者であるジョン・ギルバートとフレデリック・モステラー
が発見した最適解は以下のようなものです。
面接官はまず37人と面接をします。
しかし、ここからは誰も採用しません。
その後、この37人の誰よりもいい人が見つかったとき、その人を採用します。
こうすると応募者の最上層に入る人を採用できる確率が大きく、最高の人を
得る可能性も37%あります。
これは37%(1/e)ルールと言い、さまざまな分野に応用が利きます。
フリーマーケットで、ある品物を探していて、同種の品物のなかで、
価格が安い方から数えて10%以内に入るものを見つけられればいいとします。
その品物が100個あったとすると、最初の14個は見るだけにして買わず、
次に、その14個の品物より安いものを見つけたなら、それを選びます。
こうすると、安い方から見て10%以内に入る品物を見つける可能性は84%と
なります。
SCテナント物件を探すのは、結婚相手を探すのに似ています。
商品を選ぶのとは違って、こちらで候補を考えたとしても、相手がある話
だからです。
相手がこちらの期待にかなうことはあるでしょうが、その反対はどうかと
いうことです。
結婚相手の場合にならって言うと、最高の物件に出会うチャンスは2回ある
ことになります。
まずは初恋を成就させること。
物件探しをして最初にピンときた物件を運命だと思い定めて迷わず決定する
のです。
物件選びは確かに重要ではありますが、ビジネス成功の十分条件では
ありません。
扱う商品やサービスのクオリティの向上、従業員教育、経費低減への
アプローチ・・・。
ビジネス成功は、諸要素の適切なバランスにこそあるのです。
最初の検討物件で決定するという、物件以外の要素への気配りにウエイトを
置かざるを得ない決定ルールは、そうと決めれば意外にうまくいくのです。
もっとも、初恋を成就させるカップルが1%しかないように、ほとんどの方は
いくつかの物件を比較して選ぼうとするはずです。
その際、秘書問題をどのように応用すればいいのでしょうか。
たとえば3か月以内に物件を探さなければならないとします。
最初の1ヶ月で出てきた物件は、すべてスルーします。
2ヶ月目以降で最初の1ヶ月で見てきた物件よりも条件がいい物件に出会ったら、
即座に決定するのです。
仮に1000物件の中から選ぶとしても、最初の30物件で期待水準を設定すれば、
その後は最低基準をクリアすることで、上位10%を見つける可能性が97%に
なります。
物件も結婚相手も、慎重に選ぶに越したことはありません。
しかし、いつかいつかと次々にチャンスを見送っているうちに、商機や婚期が
過ぎ去ってしまうかもしれません。
流行遅れの商品や、よぼよぼのお見合い写真では、相手が首を縦に振ってくれる
ことは無いのです。