署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は
内部か、外部か。男たちの矜持がぶつかりあう表題作(第
53回日本推理作家協会賞受賞作)ほか、女子高生殺しの前
科を持つ男が、匿名の殺人依頼電話に苦悩する「逆転の夏」。
公判中の居眠りで失脚する裁判官を描いた「密室の人」など
珠玉の四編を収録。 ー裏表紙よりー
再読です。
やはり内容を全く忘れていました。
表題作の「動機」がやはり一番面白かったかも。
一般社会とは違う警察内部の複雑に絡み合った思惑がなんと
も言えず面白いというか歯がゆいというか‥。
どう考えても三十冊の警察手帳が紛失するのに外部犯とは思
えず、内部に目が行きます。
警察手帳の一括保管には反対も根強かったことから反対派の
誰かが犯人ではないかと推理しますが、動機は全く別のとこ
ろにありました。
最後はちょっとホッとする話でもありました。
3編目の「ネタ元」は女性記者が主人公。余談ですがこの話
の一節に「女と見れはすぐそれだ。エステ、ファッション、
男、恋愛。女はそんなことばかりを四六時中考えていると思
っている。馬鹿らしい。」
ここ好きでした。
女だって野心もあれば仕事が何より好きってこともあるだろ
うしとか思ってしまいました。
それにしても横山さん、なんでこんな気持ちがわかるの?
この「ネタ元」女性目線での話でなかなか面白かったです。
★★