チョウセンアサガオの咲く夏 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
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 米崎地検の検事・佐方貞人の事務官を務める増田陽二。

 高校時代の柔道部の恩師の告別式で、旧友の伊達と再会し

 た増田は、マネージャーだった木戸と3人でその夜旧交を

 温める。増田にとって、伊達は柔道をやめずに済んだ恩人

 であり、ヒーローだった。だが、大阪で警察官になったと

 いう伊達には、ある秘密があった‥(「ヒーロー」)。

 シリーズスピンオフ作品をはじめ多ジャンル作を集めた、

 著者初のオムニバス短編集。      ー裏表紙よりー

 

 

 

 11編の短編集。

 本当にバラエティーに富んだ作品集です。

 佐方貞人のシリーズが好きなので佐方貞人がすべての作品

 に絡んでいるのかと思っていましたが、佐方が出てきたの

 は「ヒーロー」だけでした。

 これは意外と地味なお話でした。

 表題作の「チョウセンアサガオの咲く夏」は母をひとりで

 介護する娘のお話です。

 介護しながら孤独を感じている娘・三津子がどうやってガ

 ス抜きしているかという結末に戦慄を覚えました。

 一番面白かったのは「初孫」です。

 畑中啓一は子どもが授かりにくい体質だったのですが、不

 妊治療を始めて1年後に子どもを授かります。

 しかし畑中は血液型から子どもと自分の親子関係に疑惑を

 持ち、大学で遺伝子工学の研究をしている友人の藤堂に親

 子鑑定を依頼します。

 その結果が驚愕。

 え、え、えとなりました。

 10ページほどの短編なのですが衝撃が大きすぎる。

 ネタバレになるのでこれ以上書けませんが、このあと畑中

 はどうするのだろう?とこの後の展開が気になりました。

                         ★★