上流階級 其の三 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
 地味に更新中f^_^

 

 

神戸の老舗、富久丸百貨店の芦屋川店で敏腕外商員として働く

鮫島静緒。日本一の高級住宅街のセレブ相手に、今日も奔走す

る。美容整形に興味があり静緒に試させる女性投資家、息子の

中学受験に静緒を巻き込む元CA主婦。「強い」宝石を集める

イラストレーターの訴訟事件‥。そしてプライベートも落ち着

かない日々の静緒にヘッドハンティングの話が。同居する桝家

修平の反応は?              ー裏表紙よりー

 

 

上流階級のⅢです。Ⅳを先に読んでしまいました。

Ⅳがあまりにも私の好みだったのでこれはⅢも読まなければと

思って読みました。

 今作も当然ですが静緒はお客様に振り回されます。まあこれ

は百貨店の外商の運命なんでしょう。それにしてもお金持ちの

お客さんの多彩なこと。イラストレーター、女性投資家、元CA

の主婦など。

 女性投資家は整形に興味はありますが、怖さもあって静緒を

実験台のように使います。最近はいろんな施術があるのですね。

勉強になりました。正直全く興味はないのですが。

 この女性投資家は両親から容姿のことでいろいろ言われて切

れてマンションを買い家を飛び出しました。そのマンションが

静緒が買おうとしていたマンションだったというのは何の因果

か‥。

 でも、この女性投資家の苦悩ってとてもよくわかります。私

も母がこんな感じでした。ここまで露骨じゃないけど似た感じ

で母は多分気づいてないと思いますが、私は結構傷ついていま

した。こういう年代の人たちって家族なら何を言っても許され

ると思っているんじゃなかろうか。私の母もそうだし親戚もそ

ういうところがあります。血が繋がっていようと別人格なのだ

からデリケートな部分もあるのにわからないのですね。

 元CAの主婦の息子の中学受験もパニックでした。ここまで百

貨店の外商員てお付き合いしないといけないのでしょうか。

 不合格になったらすぐ受験できる学校を探したり、受験って

こんな安易な感じでよいのかと思ったりしました。

 ドタバタな事件も多かったのですが、救いになったのは上得

意様が亡くなり娘に残した言葉。

「人生はめまぐるしくすぎて、母親にならねば、妻にならねば、

ばかりで、私というものがなんなのかわからないまま、終わっ

てしまう。あなたはそうはならないでね」。

 今、私自身がなんなのかわからないなあと思っていた真っ最

中だったのでこの言葉が胸に沁みました。★★★