東京都大田区・弁当屋のすごい経営 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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チャウ子のごった煮風500字読書日記
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 中小企業の事業承継が問題になっています。

 何度かこのブログでも書いていますが、私の父は工場勤めの

ブルーワーカーで親戚にも商売人や経営者は1人もいません。

子どもの頃から家が商売をやっていたら絶対後継ぎになるのに

と思ってきました。

 なので親が中小企業を経営していて継がないなんて勿体ない

と個人的には思っています。まあ大変なことも多いでしょうし、

それぞれ事情もあるでしょうからなんとも言えないのですが。

 本書の著者の菅原勇一郎さんは「玉子屋」というお弁当屋さ

んを父から引き継ぎました。お弁当屋さんと書きましたが、町

の個人経営の弁当屋ではなく会社と契約してお昼に配達をする

というシステムのお弁当屋さんです。

 菅原さんのお父さんが立ち上げ、菅原さん自身は家業が嫌い

だったこともあり、大学卒業後は銀行に就職します。その後コ

ンサル会社に転職をしますが、玉子屋がいい会社だということ

に気づき玉子屋に入ることになります。

 普通なら数年お父さんについて社長修行をするのだと思うの

ですが、菅原さんのお父さんの凄いところは入社した息子にす

ぐに経営を任せたことです。これってなかなかできないことじ

ゃないでしょうか。お父さんがまだ57歳のときです。

 本書にもありますが、事業承継の難しさは親子間のこともあ

りますが、古くから勤めている古参の幹部社員をどうやって納

得させることができるのかも大きいのではないでしょうか。

 社長になった菅原さんは人事改革も行いますし、配達ルート

の整備や廃棄率の削減にも取り組み成果を上げます。

 売り上げも伸ばし会社を大きくし‥と読んでいるうちにある

違和感を覚えて来ました。コロナ禍でも玉子屋はなんの打撃も

受けなかったのだろうか?だとしたらとんでもないことだ‥。

 本書は2018年に発売された本を新書化したものだそうで

す。やはりコロナ禍で玉子屋も大打撃を受けていました。その

件は最後の「新書化によせて」で詳しく述べられています。

 順風満帆なだけの会社経営なんてないのだなあと考えさせら

れます。ここでは銀行の非情さも書かれています。それでも玉

子屋はいろんなことを乗り越えてまた新たな挑戦をしていくの

だと思います。エールを送りたいです。★★★