街の灯 | チャウ子のそれでも本を読むのだ

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今回ご紹介するのは
「街の灯」
北村薫著
文春文庫です☆☆☆



前回の直木賞受賞作「鷺と雪」のベッキーさんシリーズの第一弾がこの作品です。

ベッキーさんとは、昭和7年に上流家庭・花村家にやってきた女性運転手・別宮みつ子の愛称。

名付けたのは花村家の令嬢・英子。

ベッキーさんは英子の学校の送り迎えを担当しています。

本書は3編からなっていますが、私が好きなのは、表題作の「街の灯」。

この「街の灯」には英子の学校の同級生で桐原候爵家のお嬢様・道子が登場します。

この道子のセリフがなんとも言えずカッコイイ!のです(P260)。

腹が据わっているというかなんというか‥

なかなかこんなセリフを口に出せるものではない、まして上流階級のお嬢様がと思うとすごいなーと脱帽。

もうひとつ私が好きなセリフ、これはベッキーさんの
「《あのような家に住む者に幸福はない》と思うのも、失礼ながら、ひとつの傲慢だと思います」。

これは英子に向けて放った言葉ですが、これも恐ろしくいい言葉だなぁと実感した私。

上流階級のお嬢様の話には縁もなく、興味も湧かないと思ってたのですが、そんなことは超越した味わいのある作品でした。
 


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