【コラム】ウエットなタイヤ作り(長文) | しばちゃんとクルマ⚡

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そもそもなんで「シバタイヤ」を作ったのかいうと、D1GPで勝ちたいから作ってるのです!

 

小学生の頃、休み時間に、ドッチボールをやってる時に「負けたくないと思った」あの頃の気持ちのまま、大人になっています!

 

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去年の筑波ラウンドで、初めてシバタイヤで優勝しました!

 

その後も、ポイントを確実に獲得し、、、

 

そして、シリーズチャンピオンを狙える位置で、最終戦に挑みました!

 

俺は、シバタイヤでシリーズチャンピオンを獲れると確信していました!

 

 

↑が、最終戦で、TOYOチームに、ボコボコに負けました!

 

最終戦、極寒で雪が降るぐらいめちゃ寒くて、しかも2日目は極寒+大雨でした!

 

シバタイヤ勢が絶滅しました!

 

俺の作ったタイヤが「極寒+ウエットに弱いタイヤ」だったということです!(春・夏・秋はいいのに)

 

勝てないクソみたいなタイヤを供給して、シバタイヤを選んで、戦ってくれている選手やチームのみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 

そっから、俺は「極寒+ウエットでも戦えるタイヤをつくる!」と心に誓いました!

 

この世の終わりみたいな、あんな悔しい気持ちを味わうのは、二度と嫌だ!

 

心底そう思いました。

 

ちょうど、その頃、アタック組と一緒に「アタック」をやることになり、タイヤ開発を一緒にやることになりました。

 

極寒の時期にタイムアタックでタイムが出るタイヤなら、ドリフトでも使えるやろ!むしろ最初のストレート区間はグリップ走行なので、アタック向きなタイヤが良い!という理屈です!

 

①とにかくグリップ力が高いタイヤ

②作動温度領域までの到達時間の早いタイヤ

③R23型とR31型のそれぞれの特性を生かすタイヤ

 

試作タイヤを沢山つくり、走行テストしました!

 

この冬に生み出されたタイヤは、200R、280Rです!

 

※寒い時にタイヤ作らないと、寒い時にテスト出来ない!

 

 

R23型とR31型に、それぞれ新しいコンパウンドを入れたら、使えるタイヤの種類(組み合わせ)が、めちゃくちゃ増えました!

 

コンパウンドが、180、200S、200T、200D、240、280、280R、300から選べます!

 

これにより、

 

①コースによってサイズが選べる

②季節や天候によってコンパウンドが選べる

③競技において、フロントタイヤの仕事とリヤタイヤの仕事が違うから、それぞれの仕事に対して、必要なタイヤが選べる

 

 

シバタイヤは、レースにおいて「選択肢」が増えました!

 

パターンは、R23型、 R31型、R03S型から選べます!

 

サイズも増やしました!

 

D1GPに参戦する人は、パターン&サイズ&コンパウンドの組み合わせで、レギュレーションに通ってるタイヤを私と一緒に選ぶ形で参戦しています!だからみんなタイヤが違うんです!

 

F1やGTでは、ドライタイヤとウエットタイヤが別れてますが、ドライに強いタイヤとウエットに強いタイヤは、本来は別モノです!

 

しかし、D1GPにおいては、レース中にタイヤを変更できないので、ドライ&ウエット、どちらの性能も持ったタイヤを作る必要があります!

 

それを同時に達成させたのが、今年開発した「200D」です!

 

 

2日目の寒+大雨という条件において、シバタイヤ勢、寒+ウエットで、6人予選通過!!

 

※TOYOチーム(青)も、めっちゃ強いでしょ?

 

 

決勝ラウンド、ベスト4に残ったのは、4台中3台がシバタイヤとなりました!

 

 

 そして優勝は、日比野選手!

 

 

2位が、齋藤選手ということで、シバタイヤ1.2となりました!

 

D1GP第2戦⚡️結果!

 

 

優勝🥇日比野選手(シバタイヤ)

準優勝🥈齋藤選手(シバタイヤ)

3位🥉田野選手(TOYO)

4位🔥村上選手(シバタイヤ)

5位🔥コウダイ(シバタイヤ)

6位🔥横井選手(TOYO)

 

シバタイヤ圧勝です!

 

シバタイヤはタイヤパターン的にウエットに弱そうみたいに言われてました。確かに今までは弱かったんですが、それはパターンではなくコンパウンドが悪かったのです!(俺はウエット性能は、根本は、タイヤパターンではなく、コンパウンドで決まるといい続けてました!TW380が雨で滑るのは、タイヤが硬いからです。硬いタイヤは滑る。)

 

今までのシバタイヤと今年のシバタイヤが、何が違うのか解説します!

 

 

作動温度領域までの到達時間!

 

これがテーマですが、タイヤは使うと温度が上がります。タイヤが一番グリップする温度は、60度〜80度です!

 

寒い日や雨の日は、タイヤの温度が上がるのに時間がかかりますが、いかに最大グリップまでの時間を短く出来るかが勝負で、それがすなわち「ウエット性能」となります!温度が上がらないで、タイヤが硬く、ツルツルのままだと、滑ってなんともなりません。(みなさんがイメージする感じそのままです。)

 

ウエット性能は、基本的には、タイヤパターンよりコンパウンドで決まりますが、タイヤパターンでも、タイヤの性能が20%変わることが、分析上分かっています!

 

つまり、同一パターンであれば、コンパウンドでウエット性能が向上させれますが、タイヤパターンを改良することで、さらに20%良くすることが出来るということです!

 

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R31型にすることで、20%ウエット性能が向上します!

 

今回は、コウダイも日比野選手も!

 

フロントR31型 200D

リヤR23型 200D

 

↑ウエット最弱といわれた、シバタイヤイナズマパターンで勝ちましたよ!(^^)

 

 

コウダイ負けましたが、立ち上がりと振り返してからの刺しが、いままでにない走り出来てたのでよかったです!

 

これがインフィニティでは出来ない、GR86でやれる動きかなと思います!さらなるパチパチの追走が出来るようにしていきたいです!

 

 

シバタイヤ、寒い時とウエットなら、勝てる確率が上がる!自信がある!

 

そう開幕前に宣言してましたが、言った通りになりました!(^^)

 

この結果が、冬の間にやってきたタイヤの開発の成果です!

 

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ウエットの日に、前後「R31型」にしたら、もっと強くなれる!

 

なので、リヤ用の「R31型」の19インチの200Dを大至急作ります!

 

筑波ラウンドが雨でもいいように!!

 

もっと勝てる確率をあげる為に!!

 

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アタックでタイムを出すなら、200R!

 

※ちなみに、200Rには、ウエット添加剤入ってないので、ウエットはダメです!(サーキットウエットはダメ、街乗りウエットは普通にOKです!)

 

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ドリフトで勝つなら、200D!

 

 

ということで、次戦、つくばまでに、さらなる19インチの新タイヤと新ホイールが投入できるように準備していきます!

 

翌日の月曜日には、AMEさんに会社にきてもらい、大至急19インチを作ってもらうようにオーダーして、翌火曜日には、図面が完成さ、さらに今日から生産をはじめてもらいました!

 

19インチの200Dも、レイダンにオーダー入れました!

 

さらに強いタイヤとホイールを作り「D1GPシバタイヤだらけやん!」って言われるぐらいまで、やりまくります!それぐらいやらないと、TOYOさんに勝てないです!

 

昨年の王者「TOYO」さん、会社は大企業でワークス選手も強いです!

 

我々は挑戦者なので、レギュレーションの範囲なら、どれだけやっても良いので、考えれるすべてを出し切って、タイヤやホイールやマシンを作って、挑みたいと思います!

 

 
ちなみに、この作動温度領域までのスピードが速い「添加剤」を280、280Rにも入れてあります!
 
なので、ジムカーナの皆様に「ウエットが良くなった!」と言われていると思います!
 
ただ「ライフが短くなった!」とも言われています!
 
280も280Rも、タイムが出るからいいけど、グリップして、ウエットよくして、さらにライフ長くしてくれ!
 
ってオーダーを各地から頂いておりますので、そういうタイヤ作りますので、少々お待ちくださいませ!
 
現在、来年に向けて、280と280Rのロングライフバージョンを開発しております!
 

 

現在「280R T2」試作タイヤも出来上がっていて、現在実践テストしております!いい感じです!
 
今年はシリーズが始まっていますので、いろいろな団体さんでレギュレーションありますので、シーズン中にタイヤのコンパウンドを変更することが出来ません。
 
来年のシーズン前に、しっかりあと半年テストをしていきます!(てか、もう5月なので、今年のアタックのシーズンインまで、あと5ヶ月しかないんだけど…。)
 
R23型の280も、来年度「280R」へと進化できるように、しっかりテストをしていきたいと思います!
 
・ジムカーナで安定してタイムがでる
・ロングライフなタイヤ
・ウエットで使える
・12時間耐久で使える
・軽耐久で使えるタイヤ(軽、細いタイヤだと200Rがもたないとの情報が!)
 
↑こんな感じで280Rが完成したら、200Rと280R、2種類あれば、だいたいのレースで対応できると思います!
 
完璧なコンパウンドが出来たと思っても、実際に実戦に投入すると、サイズや用途で使えない場合が出てくるので、その声を真摯に受け止め、さらなる「強い」タイヤをつくるべく開発してきます!
 
金型を作る資金がまだ確保できないので、R31型の種類が増やせませんが、今あるR23型を鍛えていきます!
 
いつの日か、R31型の種類を増やすべく資金が確保できたときに、いっきに出せるように、今のうちにコンパウンドをさらに煮詰めていきます!
 
俺たちは、D1GPで勝つ為にタイヤ作ってますが、D1GP以外のレースにシバタイヤで出てくれてる人が、実際に使って「おい!クソタイヤだったぞ!」と言ってくれますので「すんません!次作ります!」という流れですが、これからも実戦で戦う人たちが勝てるようなタイヤを作るのが「俺の人生」ですし、、、
 
誰に何を言われようが、俺は勝つまで、強いタイヤが作れるまでやめませんので、お付き合い頂ければと思います!
 
なので、シバタイヤで戦って、どうにもならなかった方は、俺に容赦なく言って頂いてOKです!
 
むしろ言われないと、改善出来ません!
 
ということで、引き続きよろしくお願いいたします!
 
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とりあえず、ウエットで勝ちました!