適格退職年金(適年)からの移行サポート -6ページ目

退職金制度の法的性格

退職金制度の法的性格についてまとめてみます



退職金制度は、社員の退職時にその勤続年数などの基準に基づいて、一時金や年金の形式で支給される報酬制度のことです。

しかし、法律を読んでも「退職金を支払わなければならない」とはどこにも規定されてはいません。

労働基準法においては、

「退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項」(労働基準法第89条第3号の2)

を定めなければならないと規定されていますが、そもそも退職金を支給しなければならないということは、どこにも書かれてはいないのです。


つまり、本来的には退職金は各企業が個別に行う恩恵的な給付なのです。

このようにそもそもは恩恵的な給付である退職金ですが、退職金規程などで退職金が制度化され、その支給要件が明確にされている場合には、労働契約の一部として退職金の支給を保証しなければならないとされています。


この点については、さまざまな通達や裁判例が出ていますので、以下に引用します。


「退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃金とみなさないこと。但し、退職金、結婚手当金等であって労働協約、就業規則、労働契約等によって予め支給条件の明確なものはこの限りでないこと。」

(昭和22年9月13日基発17号)


「退職金の法的性格については功労報償説、生活補償説、賃金後払説、と見解が分かれているが、就業規則、労働協約等によりその支給が義務づけられている限り、その支給は労働条件決定の基準たる意味をもつから、退職金は労働基準法第11条の規定にいう労働の対像としての賃金と見るべきものである。」

(江戸川製作所事件:東京高裁昭和44年7月24日判決)

参考になさって下さい。



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就労条件総合調査による退職給付制度の状況

 厚生労働省が毎年行っている就労条件総合調査の2008年の結果概況が発表された。


 この調査は毎年調査項目が変わり、今年は退職給付制度について調査されているので、その概要を見ていこう。


● 大企業では複数の退職給付制度がある


 まず退職給付制度(退職一時金、企業年金)がある企業は全体の83.9%と、大部分の企業では何らかの退職給付制度がある。


 退職給付制度がある企業のうち、退職一時金制度のみの企業の割合は55.3%、企業年金のみの企業は12.8%、一時金と企業年金の併用は31.9%となっている。


 併用企業の割合は企業規模によって大きく異なり、100名未満の企業では27.1%であるが、1,000名以上の企業では56.7%となっている。

 企業規模が大きくなるほど複数の退職給付制度を持つ企業が多くなっている。


● 中小企業では中退共を活用


 退職一時金制度を持つ企業は年金との併用企業も合計すれば87.2%となるが、その原資も見てみよう。


 中退共を利用している企業が39.0%と多い。


 100名未満の企業に限れば46.3%が利用している。
 中退共と社内準備の併用でまかなっているのである。


 300名以上の企業では中退共を利用できないので、その他の制度や社内準備でまかなっているようだ。


 企業年金制度の具体的な制度名は(複数回答)、


o厚生年金基金が35.9%、
o確定給付企業年金が11.7%、
o確定拠出年金が15.9%、
o格退職年金が49.5%


 となっている。


 厚生年金基金は大企業ではすでに代行返上がすすみ、確定給付企業年金などに切り替わっているが、中小企業では総合型に加入している割合が依然高いことが分かる。
 (100名未満の企業では厚生年金基金に41.1%が加入している)

 厚生年金基金は、かつては大企業のための企業年金制度といわれていたが、今では中小企業のための制度となったような感がある。


● いまだに残る適格退職年金


 問題となるのが49.5%の企業がいまだに適格退職年金を採用していることである。


 適格退職年金は2012年3月をもって終了しなければならず、残り期間はあと3年強と迫っているのにもかかわらずである。


 企業年金連合会の資料によれば、2008年3月時点で32,826件の適格退職年金が残っているという。


 適格退職年金を採用している企業に対して今後の他の制度への移行計画を尋ねると、「今後見直しをする」との回答は24.0%にとどまっている。


 その内訳は中退共への移行が6.6%、確定拠出年金への移行が7.5%、確定給付企業年金への移行が10.2%である。


 それ以外の76.0%の企業はなんら対策を打てないでいることがわかる。


 早くしないと大変な結末になるよ!


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       出所:厚生労働省「平成20年 就労条件総合調査結果の概況」

適格年金(適年)移行のコンサルにはコストをかけよう

「適年移行のコンサルティングには余分なお金は掛からない?!」


 金融機関は、タダでコンサルティングします。


 保険の代理店は、うちもタダでやります、と言っている。


 しかしです、

 適格退職年金の移行コンサルティングは有料の専門家をお勧めします。


 「有料」というと、あまり喜ばれないことが多いとは思いますが、その後のランニングコスト等をトータルで考えて、入口は中立的な専門家に、有料で依頼したほうが、間違いなく自社にマッチした制度設計ができます。


 その後の制度運用でも、継続的改善が必須でしょうから、そのあたりでも有益なアドバイスがもらえると思います。



 独立した専門家に依頼するメリットとしては、


1.自社の視点と、売りたい視点のバランスを図ることが可能


 金融機関、保険会社は当然自社で売りたい商品の提案をするでしょうから、自社にマッチしない制度を実施すると、将来に禍根を残すことにもなりかねません。

 クレームを言うと、担当者がすでに変更になっておりまして・・・ と


2.制度設計から商品を当て込める


 ベースになるのは退職金規程です。退職金規程は当然ながら人事制度や就業規則と密接に関連しており、退職金規程だけを直せばよい問題ではありません。

 また中長期における、会社の人事労務戦略をしっかりと点検し、その戦略に沿った形で制度設計から商品設計を緒神津佐無くてはいけないのです。

 商品だけを解決しているのは、家の基礎を放ったらかしにして、壁や屋根の見えるところだけ補修していることに他ありません。


3.コスト削減を確実に視野に入れられる


 安易に結論を出すことなく、様々な観点から中長期のコストカットの提案を可能とします。

 退職金減額は、就業規則の不利益変更であり、一方的な変更はできませんが、労働法規を遵守した、適切な手続のアドバイスが受けられます。



 他にもメリットはあるのですが、そのあたりは重要な点です。


 次のリンクをぜひ参考になさって下さい。


  適格年金移行の格安診断



 ぜひ有効な移行ができますよう、お祈りしています。