病院と在宅では、診療の環境だけでなく、医師と患者さんの関係性も変わってきます。
病院の場合、医師が治療を主導し、患者がそれに従うという主従の関係になってしまうことが多いでしょう。
診察のときのスタイルも、
外来では医師が診察室の椅子に座って話し、
病棟ならば医師が立っていて、ベッドに横になっている患者さんを見下ろすかたちで接しています。
そうした場面でも、医師が上で、患者が下といった関係性を意識させられると思います。
しかし在宅医療では、そうした医師―患者という“縦”の関係で はありません。
在宅医療の主役は、あくまで患者さんです。
医師も含めて医療・介護のスタッフは、患者さんの横にいて必要なときにサポートをさせていただくのが仕事です。
ですから、当クリニックでは患者さんのお宅に上がるときにも、 靴をそろえる、挨拶をするなど、「患者さんの生活に入らせていただく」という姿勢を行動で示せるように意識しています。
医師が患者さんと接するときも上から見下ろすのでなく、座って患者さんと同じ目線の高さで会話をすることを心がけています。
一般の方からすれば、わざわざ説明するまでもない礼儀作法かもしれませんが、
病院勤務の長い医師のなかには、患者さんのお宅で も病院の廊下を歩くようにズカズカと上がり、立ったまま話すような人も時折見かけます。
そうしたふるまい1つで、患者さんやご家族の在宅医療の印象が変わってしまうこともあるので、そこは注意しなければならないところです。
「在宅医療」他人事ではございません。
「ブログを見た」と言っていただければ結構です。
どうぞお気軽に、ご相談ください。

