サムソンとデリラというオペラの中に、
『あなたの声に私の心は開く』というアリアがあります。

この曲、メロディーも歌詞もとても美しく、
うっとりしてしまうほどで気に入っています。

本当の恋人同士で歌われるなら
最高にロマンチックで官能的な旋律なのですが
女性側が、自分の国を守るために男性を誘惑して
骨抜きにするというミッションを遂行するために
歌われる歌なのです。


モーツァルトのドン・ジョバンニに出てくる

『お手をどうぞ』は、

遊び人の男性と婚約者がいる女性との間で

自然に気持ちが盛り上がったシーンで生まれた

美しい旋律。


サムソンとデリラに出てくる

『あなたの声に私の心は開く』は、

国を守るという極めて政治的な目的を達成するべく、

男性を色仕掛けで籠絡するための美しい旋律。


でも、美しいものは美しいので

勝手に気持ちを寄せてしまいたくなります。


ただ。ファンタジーの上にファンタジーを

重ねてしまうようなものかもしれません。


一方で、中島みゆきの『あした』では

愛とは形がないもの、と明言しています。

そっちの方が実感としてしっくりはくるものの、

あまりにリアルすぎて夢みがちにはなれない気がします。

(その分、どーんと凹む時には良いです。。

過去のブログにもこの曲のことを書いていました)



〜〜〜

そして、たまたま目に入った記事が面白かったので

リンクを貼りました。


“欧米で「不倫叩き」がないワケ 他人の「不倫」が気になるのは、愛情を追求していない結婚のせいか”


というタイトル。

サムソンとデリラで、女性側が、

“国を守る”というミッションのために偽りの愛の旋律を歌って男性を籠絡するのですが、

なんとなくそれに通じるものが

あるような気がしました。


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他人に言えない関係の彼との交流が12年続いて、
罪悪感やら割り切れない気持ちやら、
それでも会わずにいられないということを経験した。

正当化するつもりは全くないけれど、
彼との交流があったおかげで、
それまではあまり興味がなかった
ドタバタ劇(?)をテーマにしたオペラが
味わい深く感じられるようになった。

特にモーツァルトのオペラは、
男女の痴話喧嘩や浮気などで満ちた溢れている
イメージで、女性週刊誌やワイドショーと
同じように思えていた。
“どうして、そんなことをテーマにした舞台を
わざわざやるのだろう…?”と、本当に不思議で
仕方なかった。

でも、彼との、他人に言えない関係を継続し、
しかも、わたし自身が
“この人から離れられない気がする”と、
観念してしまった頃に、ひょんなことから
ドン・ジョバンニのオペラを通しで聴く機会があった。

そして、歌詞の意味がわからないまま聞いた
『お手をどうぞ』という曲に心打たれた。

劇中の、どのアリアよりもシンプルで美しく
言葉とメロディーが自然に調和していた。

あとで歌詞を読むと、
神を賛美するとか道徳を讃える内容ではなく、
婚約者がいる女性が、
ドン・ジョバンニに口説かれて
心動かされてしまうという内容だった。




別の機会に観た、モーツァルトの

『コジ•ファン•トゥッテ』(女はみんなそうしたもの: みんな浮気する)もそうだが、

誘惑に負けて女性が浮気するシーンのアリアは

振り切った感じで美しい旋律になっているなと思った。



それに、ストーリー全体でも、

“そういうこと、あるよね⁉︎”ということを

軽妙に語っているようで、

モーツァルトが書いたシナリオの通りに

舞台上の声楽家が演奏しているだけではなく、

既婚未婚に関わらず、

恋愛や不倫や悲恋をしている人は皆、

モーツァルトのシナリオに踊らされているような

気がしてきた。


不倫や浮気、無責任な態度で誰かの心を傷つけてしまう、自分の欲望を優先しすぎて犯罪を犯してしまうという、“愚かでくだらない”ストーリーから

あんなに美しいアリアが生まれ、多くの声楽家が

鍛錬を積み、多くのオペラファンが観劇に詰めかける。

そして、芸術として称賛される。


“自分も、モーツァルトのシナリオに踊らされている

1人にすぎない”と思うと、

他人に言えない関係を継続してしまっていることも

仕方ないことのように思えて

少し気が軽くなった。

そんな風に思わされることが、赦しのように思えた。


自分のやっていることが、

『汝、姦淫すべからず』という神様には

怒られるのだろうけれど、モーツァルトには赦してもらえるんじゃないかな?という、自分に都合がいい考え。


(モーツァルトのドタバタ劇のオペラに出てくる、

“道義を重んじなければならない”ことを歌ったアリアは

意図的なのか偶然なのかは分からないが、

小難しい歌詞に、あまり胸を打たれないメロディーだったりする。なんとも言えない違和感があるのだ。)


彼に会いたいと思って、それを素直に彼に伝えて

そして会う、というサイクルを自分自身が望んで

受け入れた時期に、

この曲を知ったというのも何か運命的に思えて

この時期によく聴いていた。

自然な心の動き、という感じがして、とても

しっくりはまってしまったのだ。


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セックス後のベッドの上で、
彼は延々と、仕事のことや家族のこと、
将来のことや人類の未来(?)のことなどを語っていた。

よく話すなぁ…と思って聞いていた。

ーーー

「そろそろ行こうか。」

ようやく話が終わった。


私が先にシャワーを浴びて出てくる。


部屋の机の上に、セックス前に外して置いた

私のネックレスと彼の財布、スマホが並んでいた。


そういえば、はセックス前にシャワーを浴びる時、私が洗面台に置いておいた髪飾りを見ただろうか?


前回、お茶をした後に路上でキスをされ、

その感触にドキドキしたままクラフトショップで

見つけて買ったものだ。

彼に指摘されたら、どういう経緯で買ったのか

言おうと思ったが、特になにも言われなかったので

こちらからは言わなかった。


シャワーを浴びたあと、

すぐにホテルを出るのかと思ったら、

彼はシャワーを浴びて着替えた後に、

今度はソファに座って話を始めた。


向かい合った状態で、また仕事の話。

コロナの影響で海外赴任が保留になっているから

転職を考えていて、

実は転職活動もやっているんだ、と。


転職候補作での、転職後のイメージ、

今までやってきた仕事と転職先のイメージが

重なっている事を示唆するようなエピソードなど。

その話を聞いていると、

確かに彼は転職をした方が自然だと思えた。


「ローン返済のためには、今の職場の方が

いいんじゃないかと奥さんに言われます」


さっきも聞いた話を繰り返した。


そして、私が聞いてもいないのに、

今の職場での収入額を私に言った。

思ったより多かった。

(自慢しているのだろうか?)


内心驚いたが、“そうなんですね”と言って

さらっと流した。


次の職場でやりたいこと

求められるスキルや経験、語学力なども、

彼にぴったりだと思えるポストだった。


「それ、作ってもらったポストですか?」と

冗談で聞いた。


「いやいや、そうじゃないよ。」

彼も笑う。


「収入のためとか、肩書きのために仕事を選ぶ人が

多いと思うけど、仮に収入が下がったとしても

転職しそう。そういうのかっこいいですね。」


「うん、やっぱりさ、人生1度きりだし、

本気でやりたいと思えることに挑戦したいよね。

おこがましいけど、イチローとか将棋の藤井みたいになりたい。」


(見えない所ですごい努力してそうですね、と

言いたかったが言わなかった。)


その後も彼は、“自分がやりたい事をできる場所に行きたい”という趣旨の話をしていた。


ひとしきり話して、やっと部屋を出る流れになった。

部屋から出る直前に、の方からハグを求めた。

ギュってして、と言うと、笑顔で腕を広げてきて

穏やかに抱き合った。


ホテルを出て、エントランスで会釈をして別れた。


はつい、「じゃあ、また」と言ってしまった。

また、という言葉は言いたくなかったのに。

無意識のうちに唇からこぼれてしまっている。


彼は、素直で自然な笑顔を見せて

私とは逆方向に去っていった。


帰宅途中の電車の中で、

いつものように挨拶のメッセージを書こうと思ったらから先にメッセージが来ていた。


“今日は来てくれてありがとう。

たくさん話せてよかった。”


“楽しかったです。自覚したくないですが、なんだか満たされました。”


“満たされる感覚、僕もだよ”


予想外のメッセージで、少し驚いた。

そこでメッセージのやり取りをやめた。


彼は適当に相槌を打っているだけなんだろうが

なんだかドキッとしてしまったから。


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