「ねぇ、キスして?」
近づいてきた彼の顔を両手で押さえて、
唇を貪るように吸ったり咥えながら、
下半身の快感に身をよじっていた。
私が一定のリズムで腰を動かすと、
なかの筋肉が反応する、
凄く気持ちいいポイントがある。
彼の動きにブレーキがかかり、ゆっくりになって、
何かを堪えるように見えた。
射精感を堪えているようでもあり、
避妊具をつけるタイミングを考えているようでもあった。
ちょうどそのタイミングで
コンタクトレンズがずれて、目に鋭い痛みを感じた。
汗をかきすぎたからだろうか。
こればかりは痛くて耐えられない。
彼とのセックスがここで終わってもいいやと思い、
水を飲ませてと言って身体を離した。
バスタオルやバスローブを羽織ることもせず、
そそくさと洗面台に移動して
コンタクトレンズを付け直す。
その時、鏡に映った自分の姿を見て、ギョッとした。
髪の毛がバサバサで額にかかっていて、
目は虚ろだし、かなり酷いものだった。
(やまんばみたい…。私ってもしかして
セックスの最中いつもこんな風になってるの…?)
手櫛で髪の毛をとかそうとするが、
長い髪の毛がシーツとの摩擦で絡まってとけない。
慌てて手で前髪を斜めになでつけ額を出し、
なんとかサイドにまとまるようにした。
みっともない姿を晒した上、
ベッドに戻るまで少し手間取ってしまったので、
もう続きは無しかな…と思った。
「すみません、コンタクトがずれちゃって…」と
言いながらベッドに戻る。
「私、髪の毛がすごいことになってましたね」と
苦笑いしながら体育座りをすると、
彼は無言で抱きついてきた。
ハードにいちゃいちゃしてくる。
まだ戦闘モードのようだ。
自分でもギョッとするほどの
あんな酷い姿を晒していたのに
欲情してくれたままだったのが嬉しかった。
(思わず、中島みゆきの『あした』という歌を
思い出した。歌詞がとても切ない歌だ。)
↓↓
嬉しかったのと、なにかを試したかったのとが
混ざった気持ちになった。
体育座りで抱き合った状態から
彼の首に腕を絡ませて顔を近づけ、耳元で囁いた。
「ねぇ…、今日は中に出して…」
「えっ、いいの?」
彼は子どものようにパッと顔を明るくした。
「生理直前だから絶対大丈夫。なかにちょうだい?」
そう言って私は彼の顔を両手でねっとり挟んで、
濃厚なキスをしながら、ベッドの中に引き込んだ。
〜〜〜
『あした』中島みゆき
(後略)
▶︎(プロフィール画面の、フォロー中•フォロワーの数字の近く)→「すべての記事」→「テーマ別」に進むと、分類があります
このブログの構成についてはこちらをご覧ください。
↓↓