彼がシャワーを浴びている間、彼が流していった
BGMを聴きながら本棚を見ていた。

すると、なんと、
“彼の家に行くならこれを一緒に聴きたいな”と思い
昨夜聴いていた曲に似ている曲が流れていた。

使っている楽器が違い、
私が知っている演奏よりもだいぶテンポを
落とした演奏で、しかもアレンジされていたので
確信が持てず、思わず音階をメモした。

曲が終わる前に、
彼がシャワーから早く戻って来てほしい!と
思っていたら
彼がリビングに戻ってきた。

「ねぇ!この曲の名前なんだかわかりますか?
お願い、教えて」

後で曲名を探せなくなると困るので、

私はかなり切羽詰まった感じで彼に言った。


彼は飄々と、音声UI搭載のスピーカーに聞いて

教えてくれた。


「え!すごい偶然!」


「どうしたの?この曲好きなの?

僕、この曲すごく好きなんだよね。」


「はい、見てください‼︎ 

信じられないほど偶然なんですが。」


ガサガサとバッグを探って、同じ曲が入っている

CDを出した。

さっき聞いた曲名と同じ曲名が

ジャケットに書かれていた。


「え、どういうこと?」


「海外に行っちゃう前に会えるのは、

今日が最後かもしれないから、

最後に会った時の思い出の曲を作りたくて、

好きな曲が入ってるCD持ってきてたんです。

CDかける余裕なんかなかったから忘れてましたけど…」


「え?こんな偶然あるの?手品みたいだね。

僕、この曲も好きだし、これを演奏してる人も好きなんだよね。」


「…なんだか映画みたいでびっくりしました。

嘘みたいな偶然ってあるんですね。」


彼の家で流れていた曲と、私が持ってきたCD

入っていた曲が一致して、

しかも彼も好きな曲だったことに、

運命的なものを感じてしまった。

これまで、その曲が好きだと言ったこともないし

聞いたこともなかったのに!


現在流行中の曲とかではなくて、

古い映画にも使われたことがある

クラシカルな曲だった。

そうそう好きな曲として一致するものでもない。

しかも、こんなタイミングで。


彼との10年以上の交流の中で、

最も記憶に残っている嬉しい偶然のひとつだ。

〜〜〜


奥さんとの生活空間に入り込み、

帰りは嫌な気分で帰路につくことになる可能性も

考えていたのだが(そして、どうせ海外に行ってしまうのなら、むしろそういう気持ちになって身を引けたらいいと願っていたのだが)

逆に、不思議なほど気持ちが満たされてしまった。


玄関から出る時に、真顔で彼を見つめて言った。


「海外に移る前に教えてくださいね。

突然消えないでください。」


「うん」


「私、学生時代に付き合ってた人が2人とも、

いきなり欧米に行っちゃったんですよ。

1人は、アートで有名な街の映画制作コースの学校に。

もう1人は、大学卒業1年前にイギリスに留学して、そのあと日本の大学を卒業したけど、結局アメリカに行ったんです。

だから今回、すごいデジャヴ感があります。」


「tefeさんは、そういう運命なんだね」


そうかも」と苦笑いする。

「このパターン、そういえば初めてじゃないな、

って思いました。」


“じゃあね”と言って右手を出して、

柔らかな握手をした。


ハグやキスなどはないんだなと思いながら、

素早くそのまま玄関を出た。


ーーーーー

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私が先にシャワーを浴びた。

「髪の毛が排水溝に流れたりすると悪いので、

髪は洗いませんから。」と宣言して入る。


そのあと、私が持ってきたケーキを2人で食べた。

彼が紅茶を淹れてくれて、ソファに2人並んで座った。


明るいリビングには、白くて明るい光が

窓から差し込んできていた。

部屋の一角がカフェのように見えた。


「このケーキ美味しいね。それに、こうやってゆっくりできるの、なんだか良いね。」


「そうですね、2人で会って、

こんなにゆったりした時間って初めてですね。」


「あぁ、こういうの良いなぁ。」


ケーキを食べ終わった彼は、

ごろんと私の膝に頭を載せて、

膝枕をする体勢になった。

こういう時だけは、年下の子犬系男子だ。

母性本能がくすぐられるような

なんとも言えないキュンとした気持ちになる。


(今だけ。こんな時間は、ここにいる時だけ。

もう少ししたら終わるんだから)


膝枕をした状態で、他愛もないことを話していた。


寝室の照明が素敵で印象的だったし、

リビングの照明も、シンプルながら特徴的な形で目をひいた。

そのことを言ったら、彼がこの家に引っ越す時に

家具屋さんなどを何軒も回って選んだのだという。


「あ〜、最近の中で1番楽しかった。」


「私もです」


「今日は、来てくれてありがとう。そろそろ僕もシャワー浴びてくるね。」


「中でぴったりくっついて、ひとつになってる感じがします。」


「僕たち溶け合ってるんだよ?」


「はい。すごく熱い…」


彼の耳たぶをねっとり舐めながら、

彼の名前を何度も呼んで、すごく気持ちいいと囁く。


彼が私のなかで一段と大きくなり、身体の芯を突いてくる。


「ううっ…いいっ!いいっ!」

「ああ…」


私のお腹から首にかけて、熱いものが放たれた。



その後、2人でしばしまどろんだ。


私は彼に触れているだけでよかったのだが、

腕枕をしてくれた。


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