彼はまだ、ふーっふーっと荒い息をしている。
「tefeさんは感覚が敏感だからね、だから余計に感じちゃうんじゃない?」
「そうかも。私、もともとくすぐったがりで。それに肌も弱いからそんなにお化粧とかもできないくらい」
「tefeさんの肌ってナチュラルな感じでほんと良いよね。人工的じゃないっていうか。ふふっtefeさんは、色んな意味で開発しがいがあって最高だよ」
彼が、私をどんな風に“開発”してきたか、それに今後どんな風に“開発”したいのかを滔々と語っていた。
(え、今後ってどういうこと?私たちが会うのは今日は最後でしょう? きっと彼が話している“開発”の相手は、わたしじゃなくてもいい、“女性一般”ってことなんだろう)
彼が話している内容を的確に聞き流しながら、私は
外の光景をぼーっと見ていた。
見るつもりがなくても全面が大きな窓で、
窓際にあるソファの背もとても低いので、
外の光景が勝手に目に入ってくる。
私たちは地上50階のフロアにいるのに、
それと同じくらいの高さのビルが目の前に建築途中だ。目の前、と言っても実測したら100メートルくらい離れているかもしれない。もしかしたらもっと離れているかもしれないが、地上50階の高さなので、まるですぐ近くに見える。山の頂上に立つと隣の山の頂がすぐ近くに見えるように。でも、そこで働いているたくさんの人はかなり小さく見える。だから本当の距離はだいぶ離れているのだろう。
「なんだか不思議な時間ですね」
「うん、こういうの、なかなかこれまでになかったよね」
「ビルの工事であんなにたくさんの人があんな高い場所で働いてて、でもわたしたちは真っ昼間からこんなことしてて。こんなことしてていいのかな…?」
「よくはないでしょ」
「そもそもこんなに綺麗なホテルでこんなことしてるのが気が引ける…」
「まあでも半分くらいはそういうお客さんじゃない?ここにきてセックスしないなんて、逆にいただけないよ。こんないい場所にただ泊まりに来るってどういうシチュエーション?出張とか?男女できてるならほぼ全員セックスしてるよ」
「景色を楽しみにとか…」
「何万円も払って?やっぱりこの環境でするセックスだから特別なんじゃないの?」
「特別、そうですね。ここ、なんだか空の上に2人きりでいるみたいな気分になりますもんね…」
「ねぇ。やっぱり民間の宇宙旅行に行く人って宇宙空間でセックスしたくなるんだろうか?」
「そうですね、もし宇宙空間で赤ちゃんできたらどうなるんだろ?」
「どうなんだろうね、宇宙空間でセックスして、妊娠できるのかな?」
「でも、宇宙メダカっていうのが生まれたんだから、人間も妊娠できるんじゃないですか?」
「卵子に精子が向かっていくのは360度からだから、宇宙とか関係ないのかな。あぁtefeさんが妊娠したらいいのに」
「え。?」
「もし妊娠したらどうなるんだろう?すっごい妊娠させたい。」
「…」
そういう話をされると切なくなる。
彼は冗談なのかもしれないけれど、
私はそういう話はされたくないので知らないふりをした。
「ねぇ、どうする?僕みたいな子が産まれたら。」
音を立ててキスをしてくる。
「…困っちゃいますね。でも、スイスの寄宿舎とかに入れちゃう。グローバルに女の子を捕まえて、2、3人養えるようになりなさい!って言うかな。
南米系と東欧系とイタリアとか。」
「いいねぇ。」
「色んな国籍の孫が産まれて面白いかも。それはそれで。」
私は、面白いことを言って話を逸らそうとしたのだ。
それなのに彼は、また、はぁはぁはぁはぁと息が荒くなって吐息が低い音になった。
「興奮してきた。tefeさんがほんとに妊娠すればいいのに。僕の子ども産んでほしいなぁ」
そんなことをしつこく言わないでほしい。
私も以前、もしそうなったらどんなにいいかと
思ったことがあった。
そういう思いは、何度か繰り返し訪れて、ある時期とても強い思いになっていた。
彼と結婚したいとかは全く思わない。
できれば彼とは社会的には無関係で生きていきたい。
でも、彼の子どもを妊娠したいという気持ちが
今までに何度もわきあがったことがある。
私は職業柄、法律婚にこだわらない色々なパターンのパートナー関係を結んでいる友人知人がけっこういたし、海外の友人や海外経験がある友人知人が、
いかに個人の自由や希望を慎重した選択をしているか
けっこう具体的なパターンをいくつも知っていた。
経済力にも人手的にもなんとかなる。
だから妊娠したらしたで、なんとかなる算段はあった。
実は、危険日とわかっているのに
そうとは言わずに彼に中に出させたことが
何度かある。(私はダンナとのセックスでも狙った日にそうさせて、確実に妊娠してきた。)
でも結局わたしは、彼の子どもを妊娠してみたいという気持ちを完全な形で実行に移すことは封印するという決断をした。
正確には、妊娠の可能性が高い日に彼を誘って中に出させた。そこまでの気分は味わったけれど、結局アフターピルを処方してもらって服用した。そんなことを合計で3回くらいした。
毎回、いったい自分はなにをやっているんだろう?という気持ちと、淡々とプロセスをこなす自分とが
ほんの少しだけ葛藤した。でも毎回、結局は
“常識的な”選択をする自分にホッとしたり悔やんだりした。(こういう行動に、心理学用語で、◯◯確認行動、などの用語があったりするのだろうか。)
最後にそんなことをしてから、
しばらく時間が経っていた。
そのうちに、一般的にいって妊娠可能性が高い時期が
過ぎていった。
そして今やっと、
彼が海外赴任にいくタイミングがきたことで
全てを手放せそうでラクになれるのだ。
だから、こんなタイミングでtefeさんを妊娠させたいなんてことを言わないでほしい。しかも何度も。
言うならもう少し前に言ってほしかった。
私があと少し若かった頃に。
それに、どうせ彼はものごとを真剣に考えて
言っているわけではないだろう。
彼だけではない。
正式なパートナーならいざ知らず、
身体だけの関係の男がセックス中に言う言葉なんて、
単にセックスを盛り上げるための言葉遊びとして
この瞬間だけのものとして言っているに違いない。
※彼はよくこういうことを言って私を翻弄する。
↓↓
だから私はわざと茶化すようなことを言った。
私を妊娠させたいなんて、
冗談だとしても言う気が萎えるようなことを。
「もしわたしが妊娠したら、それを口実に離婚できるかな。う〜ん、でも、うちのダンナは、“それでもいい、tefeさんの子なら僕が育てる”って言いそう」
「そうなの?」
「うん、言いそう。そして一生ダンナから逃れられなくなりそう。だからそのプランはだめです」
すると彼はおもむろにわたしのあそこに
指を滑り込ませて中を刺激し初めた。
「あ…急になにするの…?きもちいいっ…ぅう〜ん…あぁん…ぁはっ…」
狙いを定めてGスポットを的確に刺激する。
私の声もうわずってトーンが高くなり、ずっと声が出続けてしまう。
何本入っているのかわからないけれど、妙に密着感があって、指だけとは思えないほどだった。
「あぁ、tefeさんのここが生き物みたいに動いてるよ。ウネウネってしてる。ああなんていやらしいんだろう?」
「ああんっ…気持ちいいっ…すごく気持ちいい…どうしてこんなにきもちいいの…?ふうっ…ああっ…」
私は自ら腰を動かしていた。中に入っているのは彼の指のはずなのに、さっきいきそうなところで急にやめられたせいなのか、指ではなくて彼のものが入っていてそこに気持ちいい場所をこすりつけるかのような動きを自然としてしまった。彼もそれに応えて、力任せではなく絶妙な力加減で私が高まるがままの動きをしていた。
「はぁん…きもちいいっ…ああ…もうっ…いやっ…ああん…指なのにどうしてこんなにきもちいいの…?」
「tefeさんの◯◯◯◯が僕の指に絡みついてきてる。僕の指が食べられてるみたいだよ?そんなに僕の◯◯◯◯◯が欲しいんだね。ほら、たくさん気持ちよくなって?いまtefeさんの中に入ってるのは僕の◯◯◯◯◯だよ?」
彼の指が私の中でいやらしく動く。Gスポットも、膣壁も全部が気持ちいい。まるで大きく膨張した彼のものをいれられている時みたいだ。
「ねぇ…すごく気持ちいい…ほんとに◯◯◯◯◯入ってるみたい…ぎゅーってする感じがする…密着してる…指が中で膨らんでるみたい…動くと全部こすれてきもちいいの…ああん…ふあっ…!」
「それはtefeさんの◯◯◯◯が僕の指を食べようとしてグネグネ動いて締め付けてきてるからだよ?ほら、ほら、もっと感じて?」
彼の繊細な指の動きのペースが早まる。
「んんっ…あっ…ダメダメ…それ気持ちいいっ…なんか出ちゃうっ…ああっ…」
急速に快感が高まると同時に潮を吹いてしまった。
▶︎(プロフィール画面の、フォロー中•フォロワーの数字の近く)→「すべての記事」→「テーマ別」に進むと、分類があります
このブログの構成についてはこちらをご覧ください。
↓↓