診察室に入る。
優しく厳しそうな、年配の女医だった。
年配の女医「最後の~~~はいつですか?」
よく聞こえなかった。
「? 生理ですか?」
「最後のセックスです。アフターピルで来てるんでしょ?」
「あ、はい。昨日です。」
「最後の生理は、12月? 今月は無かったの?」
1ヶ月間違って記入したことに気づき、思ったより動揺しているのだなと自覚した。
女医は、2種類の緊急避妊薬の説明を始めた。
「値段がね、全然違うのよ。説明を聞いて、あなたが選べます。」
「100%妊娠を防ぐわけじゃないのは理解していますが、効果が高い方でお願いします。」
「じゃあこちらにしましょう。」
(もう問診終わりなんだ。あっけなかったな。)
値段が高いが効果も高いという薬を選び、
その薬の注意事項を読み上げられるのを聞いていた。
「効果は100%ではありません」
「もし妊娠していても、胎児に影響はないといわれています」
「体にいい薬ではないので、飲み続けるものではありません」
「副作用で、吐き気や腹痛が出る人がいます」
…
「吐き気は、薬を飲んでから何時間後くらいに出るんでしょうか。」
「それは人それぞれです。もし吐き気が起きても、吐かないで我慢してください。吐いてしまうと薬の効果が薄れてしまいますから。」
…
その時、予期せぬことが起きた。
薬の注意事項を聞いているだけなのに、何かが悲しくなって涙がでてきたのだ。
年配の女医に叱られたわけでもない、
詳しく説明しないと処方しないと言われたわけでもない。
(彼との子供ができていたかもしれないのに、それを流すんだ…)
そういう感情が湧いていた。
「次からは避妊に気を付けましょうね。」
「はい,,,」