「持続可能な開発のための教育の10年」始まっている。2005年3月26日に文科省主催でそのシンポジウムが行われた。その時基調演説を行ったのが、この本の著者であるアーヴィン・ラズロ氏である。氏はハンガリーのブダペスト生まれのピアニスト・哲学者・未来学者である。世界賢人会議「ブダペストクラブ」も主宰している。
世界を理解する方法は様々である。個人の洞察、神秘的な直観、芸術、詩、宗教の信仰などである。現在世界を説明するのに最も信頼性の高い示唆を与えてくれるのが「科学」である。氏は著書の中で「万物の理論を探求することは現実的である。たとえ物理的な世界のすべての法則とすべての定数を説明する式が見つかったとしても、一つの式が世界の現象をすべて説明できる可能性は低いだろう。だが、式ではなく、概念体系であれば、それは可能である」と述べている。
ここに大きなパラダイムの変換を見るのである。世界は式で説明がつくものとされる「科学」の考え方を超えて世界を説明するための「万能の理論」を探求しているのである。
今日、科学の最新の発見によって数々の新しい「場」が再発見されてきている。その場は何千年もの間、神秘主義者、予言者、賢者そして哲学者が存在すると主張してきた「場」である。ほとんどの科学者がそのような「場」は神話にすぎない、あるはずがないとしてきたものが、科学の力によって存在が証明された。
世界の見方、価値観は今まさに激動の変革を始めた。この荒波を超えていく為に「知」というものがキーワードになってくる。世界の「知識」ではない。世界を「知ろうとする心」である。