「武士道−礼」について | 行く河の流れ

行く河の流れ

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

 以下、『武士道』(新渡戸稲造著 奈良本辰也訳)第6章をまとめる。

 「礼」とは他人の気持ちに対する思いやりを目に見える形で表現することである。それは社会的な地位を当然として物事の道理を尊重するということである。
 「礼」はその最高の姿として、ほとんど愛に近づく。それは「長い困難に耐え、親切で人をむやみに羨まず、自慢せず、思い上がらない。自己自身の利を求めず、容易に人に動かされず、およそ悪事という者をたくらまない」ものである。
 「礼」の厳しい遵守に伴う道徳的訓練として礼法としての作法がある。正しい作法にもとづいた日々の絶えざる鍛錬によって、身体のあらゆる部分と機能に申し分のない秩序を授け、かつ身体を環境に調和させて精神の統御が身体中にいきわたるようにすること、それこそが芸術へと繋がりをみせるとともに、精神修養の実践なのである。