ある分野ではもの凄く有名な、今時のITベンチャーっぽい会社の走りの会社様で仕事をしていたとき。社員構成としては、契約社員、派遣社員がかなりの数を占める。
そこでいくつかプロジェクトを掛け持ちしていた頃。
この会社ではコミニュケーションツールとしてslackが使われていた。

仕事場が近隣に複数分かれていて、20人は入れないような居室に、ある会社の空気清浄機があった。が、「このS社の空気清浄機には除菌効果はない」とslackで、契約だろうが派遣だろうがバイトだろうが、すべての社員が見られるチャンネルで主張する輩がいた。
そこに総務のお姉さんがその理由を尋ねたら、このような記事を引き合いに出した。

この記事を見て「違うでしょ。」と総務のお姉さん。しかし、主張した彼は聞かない。

この記事に沿えば、確かにS社のウリの機能では殺菌効果はないようだが、オゾンも発生させており、それで殺菌効果はある、と読みとれる。

この彼、中退こそしているが、噂では千年の都にある旧帝国大学に入学しているそうであるので、理系とはいえ国語力がないとも思えない。考えられることは、読み方を誤ったか、これ以外の意見で出回っていたらし情報源が怪しいものを先に読んで思い込んだのか、学歴詐称なのか、くらいしか思いつかない。

総務のそのお姉さんとは仲が良かったので「誰もslackの会話に参加していないけれど、誰も奴の意見はおかしいと思っているよ」と、周りの意見をお伝えした。

自分は頭のいい学校に入学または卒業した、ということで「自分が正しい」と思い込む人は意外と多い。が、その学校や本人の経歴が仕事をしてくれる訳ではない。その人を見ていて、もの凄くそう思った。
ある会社の結構専門的な業務を行っている部門内に、システムの設計と導入を行っているメンバーが数名いた。私はその時は導入側のメンバーであった。
会社の雰囲気なのか、部署特有なのか、結構個人主義であり、組織での仕事をしている雰囲気ではなかった。

ただ、それではあまりにも効率が悪いことに気が付いたのだろう、設計メンバーは別の部署に集約され、導入メンバーがその部署に残り、週一回程度ミーティングを行うようになった。そのミーティングは金曜であった。

ミーティングでは、今やっている仕事の進み具合と導入予定日(お客様先へ行って導入作業を行う)などを共有していた。個人の技量で全てやろうと思うとすごく大変なので、情報共有をして、効率化を図るのもミーティングの目的である。
ある日のミーティングの予定で「今週末 出勤します」と言い出したメンバーがいた。そもそも毎週のように出勤しているメンバーである。他のメンバーや責任者が容認しようとしていたが、私が「どんな作業があるの」と確認すると「無停電電源でこれこれの設定をしたいが、やり方が分からないので調べる」そうだ。ただ、それは私も少し前に調べて、せいぜい30分で設定ができたことだ。普通に知れべれば今日中に終わることだ。
「それ、そんなに難しくないよ、機種によって少し癖はあるけれど、このあと設定方法は教えるので、それで解決すれば週末出ずに済むと思うよ」と、ミーティング後に設定方法を教えてあげた。

確かに、そこの会社は報酬が異様に安いので残業でもしないと生活が成り立たなかったのかもしれない。別の地方にいたときから「奴はサーバールームでマンガ読んでいる」とか「客先で変な設定して叱られる」等の悪評があり、契約を切られていたそうだが、関東に来た際に過去その地方で知り合いだった人のつてで入ってきたようなメンバーだ。そこでは契約を切らないのは「IT関係ができるメンバーが圧倒的に不足しているから」である。
正直、一般的なIT求人ではどこでも採用されないレベルである。

会社側の報酬が安すぎればなんちゃってエンジニアがやってくる、というのも会社側が気づくべきではあるが、だからといって薄い内容で残業代を稼ぐ、というのは間違っている。
ここまでひどいのはなかなかいないが、そこそこひどいのはちょくちょく見かける。






あるプロジェクトで、顧客からの問い合わせに対し調査結果を平文のメールを送ったメンバーがいた。まずいことに外部に漏れてはいけない情報の記載された情報が含まれていたのだ。
ただ、この業務に携わった人が見ないと分からないレベルではあるが、暗号化してから送付しないといけないと決めがあったもの。

顧客への経緯説明を、といっても不注意なので情報の管理を今後注意してね、で済むレベルのモノであったので、勉強がてらメールを送ったメンバー本人に文面を作成しもらうことにした。ただ、送付のリミットは言われていて、営業経由で提出があり、営業で最終確認するのでと内部の期限を切られていた。

そのメンバー、当時30台半ば。私の席の斜め向かいで、キーボード操作は全て見える。また、作成していたのがGoogle ドキュメント。使った人は分かるだろうが、作成中からもう変更箇所の履歴が作成される。また、URIが分かっていれば複数人でチェックもできる。なので「とりあえず書き上がったら共有してね」と伝えた。

その彼、内部の提出期限の時刻直前、というか数秒遅れていた時間になりURIを送ってきた。しかし、キーボードはこの30分ほとんどタッチしていない。提出期限は営業に出す時間で、こちらのチェック時間はない。
しかし、内容を見ると最終更新履歴が30分前だ。

「結構ぎりぎりだったね。」と話しかけると「初めてなので結構時間が掛かってしまいました。」とのこと。
「しばらく手は止まっていたようだけど?」と問うと「書いたものを確認していました。」と返答が。
そこで「最終の更新が30分前だけれど、確認って何してたの?」と確認してみると「しっかり目で何度も確認しました。変更がなかったと言うことはそういうことです。」と言い訳にしか聞えない言葉が。
履歴の内容をみても、営業がひな形から文面作って一部今回の日付、やってしまったこと、位を修正すればできるようなものだ。これは営業さんが手直し(事象がきちんと説明できていなかった)して提出する運びとなった。

30代半ばでこういう資料を勉強がてら、と言わざるを得ない経験と実力の持ち主だったものの、意欲があれば今後も成長するための経験を積んで貰おうと思っていた。
しかし、それ以降、彼の言動や行動などが信用できなくなったことは言うまでもない。