ある会社の結構専門的な業務を行っている部門内に、システムの設計と導入を行っているメンバーが数名いた。私はその時は導入側のメンバーであった。
会社の雰囲気なのか、部署特有なのか、結構個人主義であり、組織での仕事をしている雰囲気ではなかった。

ただ、それではあまりにも効率が悪いことに気が付いたのだろう、設計メンバーは別の部署に集約され、導入メンバーがその部署に残り、週一回程度ミーティングを行うようになった。そのミーティングは金曜であった。

ミーティングでは、今やっている仕事の進み具合と導入予定日(お客様先へ行って導入作業を行う)などを共有していた。個人の技量で全てやろうと思うとすごく大変なので、情報共有をして、効率化を図るのもミーティングの目的である。
ある日のミーティングの予定で「今週末 出勤します」と言い出したメンバーがいた。そもそも毎週のように出勤しているメンバーである。他のメンバーや責任者が容認しようとしていたが、私が「どんな作業があるの」と確認すると「無停電電源でこれこれの設定をしたいが、やり方が分からないので調べる」そうだ。ただ、それは私も少し前に調べて、せいぜい30分で設定ができたことだ。普通に知れべれば今日中に終わることだ。
「それ、そんなに難しくないよ、機種によって少し癖はあるけれど、このあと設定方法は教えるので、それで解決すれば週末出ずに済むと思うよ」と、ミーティング後に設定方法を教えてあげた。

確かに、そこの会社は報酬が異様に安いので残業でもしないと生活が成り立たなかったのかもしれない。別の地方にいたときから「奴はサーバールームでマンガ読んでいる」とか「客先で変な設定して叱られる」等の悪評があり、契約を切られていたそうだが、関東に来た際に過去その地方で知り合いだった人のつてで入ってきたようなメンバーだ。そこでは契約を切らないのは「IT関係ができるメンバーが圧倒的に不足しているから」である。
正直、一般的なIT求人ではどこでも採用されないレベルである。

会社側の報酬が安すぎればなんちゃってエンジニアがやってくる、というのも会社側が気づくべきではあるが、だからといって薄い内容で残業代を稼ぐ、というのは間違っている。
ここまでひどいのはなかなかいないが、そこそこひどいのはちょくちょく見かける。