ITエンジニアは文系と理系とで、どちらの方が適切か、という話は大きな関心ごとなのか、たびたび話題になることがある。
そもそもだが、ITエンジニア、自体を定義する必要があるだろう。

ここでの定義だと、経験則の分業体制では
・顧客のやろうとしていることを理解し、その解決策を立案できる
くらいを想定している。技術に関しては責任を持てる人間像くらいである。IPAではシステムアーキテクトくらいになるのかな?と思う。
それより上位工程だとコンサルティングやディレクターと言われたり、それより下位工程だとプログラマやコーダーと言われるのかと思う。

その範囲であれば「文系か理系かという要素では判断できない」かと感じている。

ではどのようなところで判断するといいのか。個人的には
・該当顧客の該当業務や類似案件を学ぼうとする意欲があること
・数学自体、さらに将棋やパズルなどをさほど苦手としないこと
くらいではないかと思う。

要するに、お客様の話を聞いて、どういうアルゴリズムで問題解決していこうか、ということができるか否かを全体を通して見れるかどうか、なのかなと思っている。そのためにはこの二要素くらいがあればよいのでは?と感じているからだ。

そう思う理由は実体験にある。
あるちょっと変わったことを実現したい、ということを実施するためにどういうアルゴリズムならうまくいくのか。そのアルゴリズムを検討したり、他人の作成したアルゴリズムでよいかどうかを判断できない、という人たちが結構いた。
更に、そういうことをするくらいなら代替案でもう少し別のことを短工期でできるのではという検討をし、提案する力がない人も。
これは文系か理系かは関係なかったが、そこで面白そうに感じていた人たちの共通点を洗い出せばこのくらいの共通点になるのかな?と思う。

監査法人でアルバイトをしていたときの話。
ある自治体の仕事だったのだが、そこの問答集って言うのがあった。そこにQA形式で「業者になめられないようにするにはどうすればいいですか?」というのがあった。

残念ながらその回答は覚えていないが、「何じゃこりゃ?」と思った。

IT系の業者は専門用を並べて相手が分からないと小馬鹿にしたり、横柄な態度で接する連中がいるのはよく見ている。
ただ、一介の公務員で専門家とされる技術者連中と専門知識という同じ土俵で話をする必要は本来ないはずで、逆に同じ専門知識を持っていないと通じない話しかできない技術者って大丈夫か?と心配になる。
公務員側は自分たちでできないから発注しているわけであり、本来は業者と詰めていく事が重要な作業である。マウントの取り合い的なことは全くの無駄で、業者がなめた態度を取るようなら問題にして要員交代を求めるくらいしてもよいのではないかと思う。


業務プログラムであれば顧客と内容を詰めるところから顧客先への導入や運用まで経験していたが、インフラはやっていなかった。
当時お世話になっていたフリーランス人材紹介会社さんが「アプリケーションやっていた人を加えたいというインフラ屋さんがあるのでどう?」という提案を受け、かなり大きめのインフラ屋さんで仕事をしたことがあった。

入った現場には同じ人材紹介会社さんからの人が一人。それ以前に同じ人材紹介会社さんの正社員さんが受注者として入って開拓(結構優秀でした)していたところだそう。

入場すると、たまたま同じ人材紹介会社さんからの人が隣で、いろいろ教えて貰った。ちなみにそこではOSはほぼUNIX系。CentOSやAIXが主で、Windowsは全く扱っていなかった。
しばらくすると同じ会社経由でもう一人。だが、彼は4日くらいで辞めていった。
その後、「ミドルウェアの設定に詳しい奴がいないか?」と現場で話が出てきた。当時、私はそこそこミドルウェアができたので「そこそこできる人は居るかも」と話した。自分ができる、と言わなかったのは色々あるが、そこは割愛する。
すると隣の同じ人材紹介会社の人から「え、どういう人なの」と来たので「(そのときに使っていた)webサーバとDBのチューニングくらいできます」と答えた。
その彼というのがかなりのくせ者。正社員時代、某大手さんだったそう。で、そういう企業ではあまりいらっしゃらない金髪で、受注額やトラブルに対して契約先の会社にお金を請求したりしたりとか、犯罪まがい(いや、完全に犯罪だろう)を行っていたと話していた。

さて、ミドルウェアに詳しい人が云々の話になったとき、「やったー。これで3人紹介したからmacbook、ゲットだー」と。

え???
「エンジニアを募集している」という情報を人材紹介会社さんに流しただけである。更に言えば、3人目の紹介はその人ではなく私になるでしょ?(まあ、やっても人は増えないのでどうでもいいか、とか思ってた)
そこの人材紹介会社さん、付き合いが長く仲が良かったので尋ねると「3人紹介したからmacbookをプレゼントする制度はない」「そもそも紹介って、人の紹介であって案件の紹介ではないし、あり得ない。」と言っていた。そりゃそうだろう。
案の定、隣席の彼は「3人紹介したからmacbook欲しい」とか人材紹介会社に言ったそうだ。そこの社長がきっぱりと断ったとは営業さん経由で聞いた。ほっとした。

世の中には自分が得しそうな話を勝手に大きくする人って居るんだな、と新鮮で驚いた。少なくとも堂々とそういうことを口にする人って見なかったから。