12/12の日記で、「川崎フロンターレ 今年も惜別の季節(その1)。」を書いた。
木口美和子さんと茜ゆりかさんの卒業、ユースケ、ユウジ、エジソンの退団、それに、佐原と周平の引退についてひとことずつ触れた。その際、「高畠監督はその2で」とペンディングにしておいた。先が決まっていなかったからだ。
正式発表はないが、ツトさんはフロンターレの育成部門のヘッドであるテクニカル・ディレクター(TD)への就任を受け入れる見込みであるという報道が出ている。
そう、お別れではなかった。嬉しい限りである。
※コーチ就任が予定されている周平もお別れではなかった。。。
ということで、お別れメッセージではなく、ツトさんへの労いの言葉を送っておこうと思う。
ツトさんへのメッセージ
二度目の監督業、お疲れ様。
今は感謝の言葉しか思い当たらない。
W杯イヤーという非常に難しいシーズンに急遽の登板だった。
しかし、前年を下回る結果で終わってしまい、ある意味、責任を取った形になってしまった。
残念、いや、気の毒だ。
だから、TDとしてフロンターレに残ってくれて、非常に嬉しい、というか、ほっとした。
思い返せば、2008年、「関さん病気離脱」の大ピンチを見事に救っての2位フィニッシュは立派だった。
本当なら、2009年も監督を続けることができたはず。
でも、コーチへ退いた。
2009年は今季ほど難しいシーズンではなかったし、現戦力で優勝するラストチャンスの年だった。
ツトさんが監督だったら優勝できたかもしれない。
ただ、こればっかりは何とも言えん。タラ、レバ、だ。
そして、関さんの電撃退団によって、急転直下に監督再登板が決まった2010年。
おそらく、フロンターレがJ1に復帰して以降で、最も難しいシーズンだったと思う。
まず、「関さん続投」で安心しきっていたフロントの失態を一身にかぶってくれた。
戦力としては、エース・ジュニと司令塔ケンゴを同時に失っての開幕。
ヤジの長期離脱。
W杯後のテセとエイジの海外移籍。
起用方法にふて腐れたレナチーニョの離脱。
そして、最も困難を極めたのが「イナという大スター選手の入団」だ。フロンターレが初めて迎えるスーパースター。彼をどう生かすかなんて、ベテラン監督でも難しい。
優勝争いはできなかったが、こうした難しい局面を乗り越えての5位もまた立派だと思う。
新人監督としては合格点の働きだろう。難しいシーズンを乗り切ってくれた。
ありがとう。
今季のユースチームから来季にトップチームに上がる選手はいない。
※2年生のGK内山君がさ来季にどうなるか不明。
一方で、大卒、高卒、あるいは、大学在学選手を大量に獲得した。
ユースよりも力があるという意味だろう。
トップチームのサッカー哲学は徐々に固まりつつある。
ツトさんはトップチームの監督を経験した。
だから、トップ若い世代を同じようにトレーニングしてほしい。
未来のフロンターレのためにね。
以上。
さて、ここから先は雑談。
シーズン終盤、私は監督采配に対して厳しいコメントを書き続けた。
「なのに、この寛容なメッセージは何なのか?」と思う方もいるかもしれない。
その心はこうだ。
そもそもの話、この難しいW杯イヤーにツトさん監督就任は無理難題だったと思っている。しかし、関さんの電撃退団が判明した昨オフの時点で、クラブは他に良い選択肢を持ち得なかった。
相馬直樹の抜擢もあったかもしれないが、大失敗した場合に相馬直樹というカードが二度と使えなくなる。監督含みでフロンターレに来てもらった重要人物だから、それだけは避けたかったはず。
かといって、わけのわからない監督を連れて来て、せっかく固まりつつあるフロンターレのサッカー哲学を壊されるのはもっと問題だ。
というわけで、消去法でツトさんしか選択肢がなかったと思うのだ。彼ならそこそこはやってくれると。
しかし、今季は難しいW杯イヤー。
6月までという契約期間からしてエイジのW杯後の移籍は決まっていたと思われる。それに、まさかのテセの移籍が追い打ちをかけた。彼らは移籍金をほとんど残さずに出て行ってしまった。
センターFWは最も高額なポジション、クラブに余るほどのカネがあれば、テセの代役を緊急補強することもできたかもしれない。一方、山岸、矢島、それに、今季のイナと、高額補強は成功した実績がない。躊躇して当然だ。
そんな持ち駒で何とかやりくりし、タサと相澤が飛躍、楠神、ヨコやコバ悠も来季に向けての課題を胸に誓えるだけのチャンスをもらえた。彼らにはオフに精進してもらいたい。
とりあえず、育成という意味では少々の前進があったのだから、そこは素直に感謝しておきたいと思う。
ツトさんにできることはやってくれたんじゃなかろうか?
それが、このメッセージの理由である。
一方、残念なことも多いのは事実。
しかし、それはツトさんの能力を越えていたから仕方ない。
レナチーニョ離脱問題
ボールロストのリスク、組み立て能力、イエローカードのリスク、どれをとってもジュニに全くかなわない。ジュニが戻ってきた以上は出番は減って当然だ。
一方、「なぜ、クロを優先するんだ?」という批判もあろうが、時々見に行く麻生の練習を見る限り、「クロはあと一歩で一皮むける」と、私には見えた。ツトさんはクロのブレイクに賭けたんだろう。でも、叶わなかった。
ツトさんの賭けは裏目に出てしまった。「ヘナへの説明不足」と言うのは簡単だが、じゃあ、どういう説明をするのか?私には見当がつかない。
タニの移籍
イナが加わったことで、タニの出番がめっきり減った。しかし、イナは60分でお役御免、交代要員にヨコではなくタニを使っていれば、こんなことにはならなかった気がする。観戦日記では「ヨコではなくタニを使え」と言ってきた。
一方、マリノスに戻ろうとするタニをクラブが慰留したというニュースは聞いていない。フロンターレは選手に優しいクラブ、「海外移籍、どうぞ行ってらっしゃい」という寛大なクラブだ。だから、いい選手が集まってくれる。しかし、ダービーマッチの敵クラブに、いくら「古巣」だからと言っても、簡単に手放し過ぎである。
タニを使わない何らかの理由があるんだろうか?
シーズン中から柴崎が決まっていたのか?
これは未だに謎である。
2010W杯をバルサ・サッカーが制したことで、世界のサッカー哲学が大きく変わった。
バルサは長身のズルタンを放出し、小ぶりのビジャを獲得。メッシ、ペドロ、ボージャン、前線はみんなちびっこだ。それでも昨季以上の快進撃。クラシコは5-0の圧勝。この流れは止められない。
相馬直樹という人物、相当に研究熱心で、頭が良く、熱いハートを持った人物だと思う。彼は、このサッカー界の潮流の変化に確実に乗ると思う。
周平、佐原もいなくなり、ケンゴもどうか?ジュニも2011~2012年頃までだろう。フロンターレはひとつの時代を終えようとしている。大きく舵を切る時だ。どういう方向に舵を切るかについては、来年のどこかで書こうと思う。
いずれにせよ、来季のフロンターレのサッカーは大きく飛躍しなければならない。その構想から外れた選手が放出されるのは、この世界では当然だろう。
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