テックエージェントのブログ


私がベンダーで営業をしていた1990年代は、汎用機やオフコンを中心に企業での情報システム投資も盛んに行われ、月刊のコンピュータ雑誌ではいつも「xx社が○○戦略システムを稼動」などのプレスリリースが相次ぎ、ユーザー企業は他者に先駆けて新しいシステムを稼動させるなど、情報システム部門の人々も士気が高かった気がする。


昔はライバル会社との「競争」がシステム化の推進力の一つだった。金融、製造、流通、サービスいずれの業界・企業でも競合他社に負けないシステムを企画立案するためにITメーカーと戦略的に組んだ。


「競争会社はIBMでシステムを作ったから、うちは富士通でいく」といった感じで、私のようなベンダー営業マンも、お客さんの経営戦略にどっぷりつかってシステム提案をしたことが懐かしい。


2000年に入り、バブル崩壊とともに、IT技術はもっぱら「コスト削減」のための手段として事務・人件費削減が費用効果の最大のテーマとなった。「このシステムを導入すれば、現在の事務員を半数に削減できます」等、いわゆる戦略的・先行投資的なシステムというよりは、人員削減など少し「後ろ向き」な提案に変わっていった。技術面でも汎用機からオープン技術へシフトさせる開発への投資が盛んに行われた動機は、高価だった汎用機の運用コストの削減からだった。


その後、オープン技術も定着し、新たなシステム投資に対する動機付けが乏しくなりつつある現在、不況もあいまってベンダー営業は、今まで投資していただいたIT設備そのものに対するコスト削減提案しか「売り」が無くなってきているような気がする。


次に来るトレンドは、ASP?クラウドコンピューティング?アンドロイド? 低迷するIT業界、新たな需要を喚起するトレンドが生まれることを望む。


企業の情報システム投資が7-9月期は回復基調となっているという。


私も日々営業先でお会いする方から話しを聞くと、確かに今まで凍結していた大型の開発案件が動き出しているようである。


しかしながら、相変わらずそういった大型案件は大手SIerが包括契約でとっていってしまうので、下請けの中小ソフトハウスまで案件が回ってくる状況にはなく、引き続き厳しい経営を強いられているのが実情だ。


最近は案件の依頼はくるものの、その要求内容はきびしいものが多い。


例えば、①ユーザー企業の法改正対応によるシステム改変など業務内容が非常に専門化・詳細化されているケースや、②メーカーの技術者でなければ対応できないような最新の技術を使った開発案件など、自社の技術者のノウハウでは到底対応できそうにない話しばかりしか来ない、と嘆いている方々も少なくないはずだ。


このような案件の出方から推測するに、まだまだ企業はシステム投資に慎重で、本格的な回復には至っていないことがうかがえる。


一方、中小ソフトハウスはいままで、言語や技術力で「品揃え」をする営業スタイルをとってきたが、現時点ではあまり通用していない。


しばらくはこの不況が続くことが想定されており、ユーザー企業も外注エンジニアに対して技術力を求めるというよりは、自社の業務に即対応が出来る専門家を探すこととなる。そういう意味でのニーズに対応することが、生き残るために必要不可欠であり、自社のエンジニアが今までユーザー先でのシステム化で得られた業務知識を会社のナレッジとして蓄積し、次の案件獲得に生かすべきときではないだろうか。


当面の当社のビジネスは、外注切りで退場を予定している、または待機しているソフトハウスの技術者の方々の業務スキルにフォーカスした案件マッチングをサービスとして提供していくことに注力している。


大不況のいま、大手企業による外注カットなどで中小ソフトハウスの経営は大変厳しい。


いままで会社の看板で営業をしてきた私も、起業して間もない会社だと、特に大手企業ではまったく相手にしてくれないことが多く、営業で訪問しても無駄足を踏むことが多い。


「おたくは未だ実績がないから…」
「コンプライアンス問題で直接取引は難しいですねぇ」
「会社の方針に逆らうことはできないんだよ…」


コネのない大手企業の社員の対応は極めて冷やかなものだ。

考えてみれば、自分も知名度の高い会社で仕事をしていたときは相手の会社の格ばかり見ていた記憶があるし、小企業を鼻であしらう人たちのことも理解している。


それでも独立してからは、不思議といつもに前向きになっている自分がいる。


サラリーマンの時は、経営者の顔色うかがい、

仕事に不満があっても同僚部下とは社内競争で本音が話せず、

いつ転職しようか悩む日々…。

いつも仕事にうちこめない余計なストレスがあった。


ところがサラリーマンをやめて気がつくと人間関係のストレスが全くない。
誰からも指図されないから不満の持ちようがない。
給料がないから自ら顧客開拓をして収入を確保しなければ

家族を養っていけないから文句を言っている暇などない。


いつも後ろ向きなことを考えがちだった私がいつのまにか、「明日何をするか」しか考えていない。


知らないうちに前向きな人間になっていた。


大不況の今年。


お客様から「大変な時期によく起業されましたね」と言われます。


私自身このような不況期に起業することは、正解なのか間違いなのか、ずっと自問自答してきました。


経済成長期の起業と違って、この不況期に起業を考える多くの人たちは、自分が勤めていた会社の業績悪化に伴うリストラや失業を期に、あたためていたアイディアを基に会社を立ち上げるとか、あるいは再就職が厳しい昨今、転職を断念して自分の出来る事を個人事業としてスタートさせるという人々が大半ではないでしょうか。


私の場合はどうか? 実は私の起業動機もまったく同じです。


転職か起業か?


40代の私が営業で再就職を考えたときにいつも頭をよぎるのは、再就職先を短期でリストラにあった苦い経験です。


それらの会社の経営者のほとんどが、成長期に起業して順風満帆できた人々。給料を払って社員を雇えば頭数だけ売上げが伸びた「良き時代」を経験した経営者は、今、経験したことのないマイナス成長になすすべもなく新たなアクションも起こさないのです。今、こういう経営者の下で一生懸命仕事をしても、新たな提案をしても、営業成果が出なければクビにされるだけ。そして会社を変わる度に折角親しくなったお客様へ退職挨拶を繰り返す、そんなことを繰り返すことになるよりは、いっそ自分の看板を持とう!と思ったのが起業のきっかけです。


不景気の昨今、顧客はキャッシュを使おうとしないのだから、起業のためにはあまり良い環境とは言えませんが、お客さんのニーズに応えた起業ならば失敗することはないと思います。それどころか、お金儲けだけ追求してきた無策の経営者が淘汰されるのだから、競争相手が減るのです。


私の出した結論、不況のときこそ、新しいチャレンジをすべだと。