6月22日、2024BRM622積丹400(中編)の続きです。

 

15:47、144.2km、何度目かの覆道を抜け、二段目の頂上のトンネル内で平坦になったところで再び自転車に乗り、壮瞥町に突入。オロフレ峠の所要時間は2時間33分、長かった・・・。事前の想定での通過時刻は17:27でしたので、想定がおかしかったのか、思いの外頑張ったのか・・・。

 

後で知るのですけれど、カントリーサインの先の右側にある駐車帯に赤いチャートの石碑があるのをGoogleマップで見つけました。ブルベ当日は全く目に入らなかったので、どうかしていたのでしょう、いや、完全にどうかしていましたね。

 

さ〜て、長い下りで脚と尻を休めましょう。自動車の往来はほとんどなく、他の参加者さんを見かけることもなく、40〜50km/hほどで快調に下りを堪能します。初めて走る道ですし、落車や怪我をしてはその後の行程に障りますので、コーナー前ではブレーキを握りながら焦らず下ります。2時間33分かけて貯めた位置エネルギーを解放するのは得も言われぬ喜びがあります。

 

壮瞥町と言えば果樹というイメージがあったのですけれど、峠道を下り切ると水田の存在も確認。

 

麦畑も確認。

 

こんな感じの観光果樹園がコースの両側に見られます。時期的に営業期間外です。

 

16:38 166.5km、道の駅そうべつ情報館iを通過。

 

16:41、167.5km、PCじゃないセイコーマートふじさわ店で休憩。

 

食欲がわかず、この程度の補給が精一杯でした。店先のベンチに腰掛けて、補給をしながらツイッターで参加者さんの進捗を確認し、停車時間21分、想定クローズ3分前に出発。クローズ間近まで休憩をし、走りながら少しずつ貯金する、の繰り返し。

 

少し上って、洞爺湖畔に入ります。ホントに観光地巡りのようなコースで楽しいです。

 

コース左の遠景には昭和新山。

 

TOYAKOマンガ・アニメフェスタ開催中の洞爺湖温泉街にはレイヤーさんがいっぱい。

 

いっぱい。

 

痛車もいっぱい。

 

まぁ、こっちも弱虫ペダルのエセコスプレみたいなものですから、お互い様というか、レイヤーさんたちをどうこういう資格はないわけで。むしろ、レイヤーさんたちはほぼパンツを履いているのでしょうけれど、我々はほぼノーパンなわけで、パンツを履いている人とノーパンの人のどちらが痛いかは論ずるまでもないでしょう、残念! 天下の往来をノーパンで疾走し、コンビニや食堂にノーパンで入店し、ノーパンでいることに何の疑問も持っていない、むしろノーパンでいることこそ効率的だと思っている我々は社会に受け入れられているのだろうかと考えずにはいられません。

 

湖畔のキャンプ場にはテントと車がいっぱい。炭火の煙や肉を焼くいい匂いが漂い、正しい週末の過ごし方を満喫していらっしゃる皆さんのことを羨ましく思ったりもします。洞爺湖畔を21kmほど走って湖の景観を堪能しましたので、お腹いっぱい。

 

18:48、洞爺湖畔を離れ、少し上って内陸に進み、留寿都村の馬鈴薯畑を通過。日没が迫り暗くなってきましたので、光量不足で写真がブレブレに。

 

オロフレ峠を越えた後も、市街地では信号に引っかかり、郊外ではアップダウンを繰り返すため、なかなかペースが上がりません。

 

18:56、199.6km、真狩村に突入。ようやく前半がほぼ終了。およそ200kmを12時間56分ですから、壮瞥町から30km走って想定クローズに対して30分の貯金ができました。

 

まぁ、オロフレ峠の上りからここまでが長かったこと長かったこと。200kmをこんなに長く感じたのは初めてかもしれません。

 

19:02、201.5km、気がついたらミスコースしていました。explore2のナビが鳴ったのか、ミスコースの警告を発したのか、まったく思い出せません。200mほど戻ってコースに復帰します。

 

19:08、今度はetrexに電池残量低下の警告。前回の増毛300の後、電池交換をしたつもりでしていなかったようです。ツールボトルから電池を取り出して交換。疲れからか、肌寒く感じてきましたので、ウインドブレーカーを羽織って出発。

 

ここらで日没を迎えましたので、PC2までの約3時間は写真がありません。事前の予習段階では207km地点、真狩村のコース外セブンイレブンに立ち寄ろうかとも思っていましたけれど、補給する元気が出ず、時間の余裕もなかったので、先を急ぐことにしました。倶知安町市街地までの間もまあまあアップダウンがきつく、思うように速度が上がらず、暗さから路面状況の把握も難しくなり、ペースは下がる一方です。倶知安町市街地では何度も信号待ちを余儀なくされ、心の余裕もなくなっていきました。225.7km、コース上の倶知安町市街地にローソンがあることを確認していましたけれど、相変わらず補給の意欲がわかず、スルー。どれくらいの速度で走っているのか、想定クローズに対してどれくらいの余裕があるのか、まったくわからないまま、ボルト800が小さく照らす夜道をただひたすらに走り続けました。

 

PC2が間近に迫った岩内町市街地で2人の参加者さんが追いつき、「もうすぐPCですね。その先に見えるんじゃないですか?」などと声をかけられ、3人で右側のローソンに停まりました。う〜ん、PC2はコース左側だったはずと思い、ナビを確認すると、案の定、コースを外れ、PCではないローソンにいることがわかりました。2人にコースアウトしたことを知らせ、コースに復帰。ここでもexplore2のナビやアラートにはまったく気がつきませんでした。そもそも鳴らなかったのか、疲労で気がつかなかったのか、今でも謎のままです。

 

22:12、255.3km、PC2のローソン岩内大浜店に到着(想定クローズ22:50)。2度のミスコースのおかげで、キューシートの距離とサイコンの表示距離に2km以上の誤差が出ています。ここで行き合った参加者さんは4〜5名。この後は約100kmの無補給区間ですから、何はなくとも補給をしましょう。

 

疲れすぎていて、フルーツジュースとゼリー飲料しか喉を通りませんでした。inゼリー2個はこの先で摂るためにフレームインナーバッグに入れました。22:36、停車時間24分、想定クローズの14分前に出発。

 

この後も写真はありません。岩内町から泊村、神恵内村、積丹町と、積丹半島を海沿いにめぐります。海沿いなのでほぼ平坦なのが幸い。左からは常に波が砕ける音が聞こえるのですけれど、暗くて海の様子はまったく見えず、恐怖心が沸き起こります。その後、眠気からありもしない幻覚が見えるようになり、青空駐車場で休憩することにしました。ヘルメットを脱ぎ、地面に寝転がって、10分目を閉じます。少し回復したような気がします。その後、これまた時刻はまったくわからないのですけれど、巡回のnoztoff(ノズトフ)さんに「ガンバ!」と声をかけていただきました。無言で右手を挙げるのが精一杯でした。それと前後して、積丹町に入ったころだったと思うのですけれど、路面が濡れるほどの濃い霧雨に覆われはじめました。ヘルメットシールドにつく水滴が暗い視界をますます見づらくするものですから、手で拭いながら走る羽目に。う〜ん、雨はまったく想定していませんでした。

 

その後、どういうわけか通過チェックの通り過ぎが気になり停車。サイコンが示す距離は当てにならなくなっていますので、スマートフォンを取り出し、グーグルマップでまだ通り過ぎていないことを確認し、出発。しばらく進むと、explore2が通過チェック到着のアラートを鳴動しました。GPXファイルに自分で追加したウェイポイントは、なぜか通り過ぎてから通知が来ることを知っていましたので、歩いて引き返すこと100mほど・・・。

 

見つけました、2:44、キューシート距離で316.2km、通過チェック積丹幌武意バス停(想定クローズ3:04)。クイズの答えになる時刻表を撮影して、出発。

 

その後も夜明け前の暗闇の中、雨で視界を遮られながら、インナー固定で上りやら下りやら市街地やらトンネルやらを低速度で走り続け、記憶と記録が曖昧な中、5:50、349.0km、どうにも走れなくなり、道端に自転車を立てかけ、地べたに腰を下ろして30分ほど目を閉じることに。場所は、おそらく古平町の豊浜トンネルを抜けて、余市町に入ったばかりのあたり。ここらへんは雨が降らなかったのか、地面が乾いているのが幸いです。意識は朦朧とし、夢と現の狭間で、気持ちはDNFに傾きつつありました。千歳市で追い抜いたブロンプトンさんが目の前をパスしていくのが見えました(と思ったのですけれど、どうも人違いだったようです。自分の記憶が信用できず、ブロンプトンだったかどうかも定かではありませんけれど、小径車には間違いないと思います、多分・・・)。

 

6:34、358.3km、余市町市街地でDNFを決断し、運営さんにGoogleフォームで連絡し、ツイート。私の積丹400は終わりました・・・と言いたいところですけれど、輪行袋も汽車賃も持っていない私に残された選択肢は、這ってでもスタート地点へ自走して、時間外完走することだけ。まぁ、時間を気にする必要がなくなった分だけ気持ちが楽になりました。

 

とは言え、ハンガーノックなどという状態はとっくに通り過ぎ、補給する元気も登坂する気力もない私にとって、小樽市塩谷や朝里から張碓の3%程度の上りは激坂に感じられ、休み休み、押し歩きながらの登坂。その後の無風平坦も12km/h程度を維持するのが関の山で、信号でのクリートの脱着もままならなくなる始末。まさしく這々の体という言葉がピッタリの状況で、12:05、ゴール地点のセブンイレブン札幌季実の里店前を通過し、30時間5分で時間外完走。12:07、スタート地点の屯田公園駐車場に帰ってきました。運営さんも参加者さんもいない駐車場は、休日を公園で過ごす親子連れの車でいっぱい、満身創痍のノーパンおっさんの居場所はこれっぽっちもありません。いそいそと車に自転車を積み込み、エンジンとエアコンをかけた車内で30分ほど仮眠を取りました。この後、300kmの運転をしての帰宅は無理と判断し、札幌市内のホテルを当日予約、職場の上司に翌日の休暇を申請し、宿へと向かいました。

 

二度目のDNFは、またしても400km。一度目のDNFはペース配分を誤ったことによるものだったことと、初めてのDNFだったこともあり、かなりショックを引きずったものです。二度目の今回は、少し慣れが生じてしまったのか、前回ほどのショックはなく、徐々に「しょうがないか」という気持ちに。ただし、本来あるはずのない手元のブルベカードを見るにつけ、こいつをフランスに送ってやれなかったことには後悔の念を抱かずにはいられません。また次があるさ、と思いつつも、完走認定に向けた取るべき方策が見いだせずにいる今日このごろです。

 

今回の反省

・山岳ブルベは厳しいということを実感。平坦ブルベで修行を積みたいと思います。

・とにもかくにも圧倒的に補給不足。胃薬を飲みながらでも無理やり補給することの重要性を痛感。次の出走に向けて胃薬を買いました。

・今シーズンは基礎体力が落ちている気がします。メタボ対策として続けている、朝食抜きと夕食の主食抜きが影響しているのかもしれません。体型維持と体力維持のバランスが課題かと。

・反省ではないのですけれど、スタート前から何かと運営さんや参加者さんと交流のあったブルベでした。同じ趣味の方同士、言葉をかわすのは楽しいものです。

 

おわり

 

 

この日の走行距離 410.1km

アベレージ(ネット値) 16.8km/h

アベレージ(グロス値) 13.6km/h

今シーズンの累計走行距離 1,316km