5月25日、BRM525北海道300km増毛(前編) | 目指せ! シューペル・ランドヌール

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ブルベほかロードバイクライフのブログ

本記事は、ブルベのすばらしさや運営さんと参加者さんなど関係する皆さんの尊さを、とあるランドヌールの視点で伝えるためのものです。「疲れた」「しんどい」「体が痛い」「嘔吐」「きつい」「寒い」「息が切れる」「つらい」などのネガティブな表現が多くみられる箇所がありますが、話半分以下に聞いていただけると幸いです。ブルベの非日常性が私は好きですし、少しだけ頑張ってみることで得られる大きな達成感がブルベの醍醐味の一つだと思っています。

 

初めて参加した300kmブルベのことをおぼえていますか? ワタシは、2017年の520増毛300でした。深夜の国道337号が寒すぎて、サドルバッグで運んできた冬用グローブを履いたことを覚えています(北海道ではグローブを「履く」といいます。標準語では「着ける」でしょうか)。

 

そんな、過去に参加した300kmブルベを綴ったブログを転ばぬ先の杖としながら参加した3度目となる増毛300の様子を綴っていきまっしょい。

 

いつもどおり、前日に札幌まで自動車輪行と前泊をしたのですけれど、この時点で十分な旅で、これだけで1本記事が書けてしまいそうです。距離にしておよそ270km、休憩を挟んで7時間ほど。普段はできない旅先での外食と車内で聞く「ピートのふしぎなガレージ」ポッドキャストが極上の時間を演出します。ブログの本旨とは異なるので、移動の様子は省略します。

 

それでは本編へどうぞ。

 

コースは、札幌市〜江別市~新篠津村〜月形町〜当別町〜増毛町〜雨竜町〜芦別市〜砂川市〜奈井江町〜美唄市〜新篠津村〜当別町〜札幌市を巡る300km。後で気が付きました、獲得標高は2,005m。BRM512北海道200km丘を越えての1,999mとほぼ同じです。たしかに、きつい上りはなかったと言えばなかったですけれど。

 

5:00起床、5:30ごろホテルを自動車で出発、5:50ごろスタート地点に到着、車内でおにぎり1個を食べ、受付。

 

BRM512北海道200km丘を越えて以降、風邪のような体調不良が続いていましたけれど、徐々に回復し、当日の朝はこの2週間で最も体調が良い状態に。とは言え、体調レベルがマイナス10だったのがマイナス2になったようなもので、万全な体調ではなかったことを後々思い知ることになるとは、このときは知る由もないのでした。

 

この日のハンドル周り、いつも通りです。北海道のローカルルールで300kmから前照灯は2灯必要ですので、エクステンションバーにキャットアイボルト800を2本、上下逆にセット。夜間走行があるとは言え300kmですから、前照灯の予備バッテリーは持たず。

 

写真がありませんけれど、オルトリーブサドルバッグには防寒用のレインジャケット、春秋用フルフィンガーグローブ、予備チューブ1本。尾灯は、キャットアイオムニ5キャットアイリフレックスオートの2灯態勢。リフレックスオートの自動点灯が便利すぎて、オムニ5は結局出番なしでした。

 

前回ちぎれた簡易キューシートの穴を改良してみました。事務職さんならわかるでしょうか、穴あけパンチで開けた穴が広がらないように補強するビニールパッチを数枚貼り重ねてみました。想像通りの効果を発揮し、ゴールまでちぎれ知らず。数回の出走には耐えられそうです。

 

今まで、Ride with GPSのデータにPCなどの位置を設定する術を知らずにいましたので、簡易キューシートに書き込んでいましたけれど、今回は、TrailNoteを使ってウェイポイントを登録してみました。たしかに、explore2のナビ画面での表示とアラート音でウェイポイントを通知してくれるので、便利といえば便利です。ただ、ジャストの地点で登録すると、通り過ぎた頃に通知が鳴るので、ちょっと不便でした。ナビ画面での表示も小さくて見づらく、むしろサイコン画面のときの方がアラート音とともにしっかりと画面表示がされるので認識しやすいくらいです。実際のポイントの100mくらい手前で地点登録しておくと使い物になりそうです。簡易キューシートとの多重運用体制は継続の必要がありそうです。

 

ブリーフィングを待っていると、参加者さんが続々と集まり、ブロンプトンさんがお座りで集合していました。ブルベって、一種の縛りプレイだと思っているのですけれど、走りに特化したロードバイクではなくブロンプトンで走るって、どんだけ縛りプレイなのかと思ってしまいます。ロードバイク以外でブルベに参加する人って尊敬に値します、感服です、ハイ。

 

受付で反射グッズを販売していたのを思い出し、持っていなかったアンクルバンドを購入。1組800円也。浜益〜増毛間はトンネルが連続しますし、300kmは夜間走行もありますので、事故防止のために少しでも目立つようにと思いまして。

 

ブリーフィングを待つ間に寒さで体が冷えてきましたので、グローブを指切りからフルフィンガーに履き替えました。この日の服装は、寒くなることを見越して、エアリズムTシャツ、春秋用裏起毛長袖ジャージ、ウインドベスト、ウインドブレーカー、春秋用裏起毛ビブタイツ。服装調節ができるように重ね着を意識した、いつもどおりの服装。結局、これでも日没後は寒かったのですけれど。

 

6:45、寒くて待ちに待ったブリーフィング。エントリー87名、出走76名の大所帯ですので、とても写真に収まりきりません。出走ガイドと試走レポートの内容を丁寧に説明いただきました。

 

私の他にも写真を撮っていらっしゃる参加者さんはいらっしゃるのですけれど、皆さんスマートフォンで撮影されていますね。コンデジを使っているのは私くらいだと気が付きました。

 

まあ、今どき、写真撮影はスマートフォンですよね。私、ブログのために走りながら写真を撮りたいので、防水コンデジが必要なんですよね。今のスマートフォンも防水仕様ではありますけれど、走りながら片手でロック解除と写真撮影をすることや、落とすリスクを抱えて走りながらスマートフォンを出し入れする勇気はありません。今使っているコンデジ(フジフイルム finepix xp-90)は画質が今ひとつなので買い替えたいと思っているのですけれど、防水コンデジって4〜5万円するので、二の足を踏んでいるところです。

 

6:52、車検の列に並びます。車検を受けた後にGPSナビのセットと行ってきますのツイートをしますので、早めに車検を受けてしまいます。

 

スタート直後は市街地走行が続きますので、信号に引っかかりながら、集団走行が続きます。

 

7:34、石狩川を渡ります。曇天の下、気温はたぶん10度ほど。もしかするとこれが今日の最高気温かもしれないと思いながら、肌を差す寒風を受けながら走ります。スタート直後から鼻をすすりながら走る羽目になり、結局ゴールまでスンスンしながら過ごしました。

 

8:09、スタートから1時間以上経っても視界に参加者さんがいらっしゃるのは、ワタシ的にはなかなか珍しい光景です。田植えの終わった南空知の水田の景観を楽しみながら、PC1を目指します。鼻をスンスンしながら走るのは息が切れてしょうがないです。スンスン、ハアハア・・・。

 

8:36、この日初めて日が差しました。太陽が当たると寒さが少し和らぎます。PC1までは多くの参加者さんを視界に捉えながら、速い列車には無理して乗らず、背後に数名の参加者さんの気配を感じながら、23〜24km/hを維持しつつ、淡々とペダルを回します。風は予報どおりの西寄りで、軽い横風を受けつつ北東へ進みます。

 

8:50、41.9km、PC1セブンイレブン月形町店に到着(想定クローズ10:06)。

 

そうそう、ブリーフィングで言われました、2024年1月のACPのBRM規則の改定で、PCでのクローズ時刻による足切りがなくなったと。後日確認すると、オダックス・ジャパンのサイトに記載されていました。この改定って喜ばしいことなんでしょうね。特に前半に上りが集中するようなコースだと、序盤の方のPCのクローズ時刻を過ぎてしまっても、ゴールの制限時間に間に合いさえすれば完走認定ってことですから。今までどおり自分の中で各PCの想定クローズ時刻を持っておけばペース配分に役立ちそうです。

 

この時点では参加者のペースが似たりよったりで、ご覧のとおりの大混雑。トイレに数名の行列ができていましたので、トイレは諦めましょう。

 

前回の丘を越えて200では食べ過ぎで苦労しましたので、今回は適度な補給を心がけました。昼食夕食という考えは捨てて、次のコンビニまで走れるだけの補給に気をつけました。9:01、停車時間11分で出発。

 

9:28、49.9km、道民の森へ向かう丘を越えて当別町に突入。スンスン、ハアハア。

 

当別町青山地区を北進する間も、数名の参加者さんの背中を遠くに眺めたり、追い抜かれたり、いつものぼっち走行とは打って変わって人の気配を感じながらの走行が続きます。弱い横風や向かい風を受けながら、緩い上り基調のコースを20km/hほどのペースで淡々とペダルを回します。

 

起床直後からスタート直前までは、もう少し寝ていたいとか、DNSしようかとか、300kmはしんどいなぁとか感じていましたけれど、走り出してしまえばそれなりに楽しんでいる自分がいました。とにかく気温の上昇を感じられず、肌を差す北寄りの風にうんざりしながらも、時折日が差すとつかの間の温かさに安堵するのでした。

 

上りが少しきつくなった頃に姿を見せる青山貯水池。青々とした水面に心が和みます。

 

10:15、66.4km、玉の湯トンネルに到着。この日初めて前照灯を点灯します。トンネルを抜けて、下りで少し脚を休めます。

 

10:59、79.4km、さらに少し上って、石狩市浜益区に突入。上りの途中で停まってリアディレイラーを外している参加者さんを見かけました。3人くらいで停まっていたのでなんとか対処したのではないかと想像しましたけれど、ディレイラーハンガー折れとかだったら目も当てられないですね。DNFするにしても、最寄りのバス停や鉄道駅まで何kmあるんだって感じです。

 

ブルベ中のリスク管理って、考えだしたらきりがなくて、究極的には自転車をもう1台背負って行く必要があるくらいのことだと思います。まぁ、現実的には予備タイヤを持つとか、輪行袋を持つとか、スポークを持つとか、でしょうか。

 

道外のブルベ事情はよくわからないのですけれど、北海道のブルベではDNFを決めたとして、公共交通機関を利用しようにもかなり厳しいのが普通です。前述のとおり、最寄りのバス停や鉄道駅まで数10kmとかざらです。つまり、輪行による帰宅は極めて困難です。ですので、私はブルベに輪行袋は持って行きません。

 

そこで一縷の望みをかけているのがau損保の自転車保険Bycleシリーズに付帯するロードサービスです。北海道なら、離島を除いて利用可能、50km以内の希望の場所まで無料搬送、無料アプリ「自転車の日」を使えばGPSで位置を特定して呼び出し可能、というもの。50kmのロードサービスが受けられれば、最寄りの市街地までは連れて行ってもらえそうです。そこからは、自転車を放置したとしても自分だけはスタート地点に戻れそうです。あ〜、PCなどでの買い物はキャッシュレス決済するので、現金をほぼ持ち歩いていませんでした。バスにも汽車にも乗れません、ぐはっ。ブルベ中は何が起きてもスタート地点まで自走するしかなさそうです。

 

こうして、不測の事態に思いを馳せるにつけ、ブルベってとんでもないスポーツだなぁと改めて実感します。日頃の点検・整備で少しでもリスクを減らすことを考えるのって大切なことなのかもしれません。閑話休題。

 

はるか前方に残雪の暑寒別岳を望みながら、浜益市街地までの10数kmの下りで脚と尻を休めるはずが、予報どおりの強めの西風に阻まれてまったく速度が上がらないどころか、むしろペダルを回してましたよ、下りなのに。たしかに、ダウンヒルを楽しむような勾配ではありませんけれど、コース随一の下りは期待外れに終わりました。

 

11:39、94.6km、PCじゃないセイコーマート浜益店での休憩を目前にして、浜益温泉駐車公園でこの日初のトイレ休憩。先着して休憩していた参加者さんが「ここからPCまで距離がありますよね〜」とおっしゃっていましたので、PC2まで補給なしで走られたのでしょう。

 

コース沿いの浜益小学校、運動会やってました。寒くて風が強くて大変そう。あ〜、お互い様でした、ぐはっ。

 

おぉ〜、日本海が見えます。遠くまで来た感じがしますね〜。まだ3分の1ですけれど。

 

11:56、98.5km、PCじゃないセイコーマート浜益店に到着(想定クローズ13:18)。10名ほど参加者さんがいらっしゃいます。さて、補給をしましょう。

 

栗どら焼き、初めて買いました。

 

てっきり小豆あんに砕いた栗が混ざっているものと思っていましたけれど、栗きんとんみたいな栗ペーストのあんでした。12:06、停車時間10分で出発。相変わらず寒いです。

 

後編に続きます