5月25日、BRM525北海道300km増毛(前編)の続きです。

 

浜益から増毛までは左手に日本海を望みながら北進します。てっきり西風が続くものだと思っていましたけれど、向かい風の北風に変わり、ペースが下がります。増毛町の市街地を過ぎれば、風の影響がなくなることを期待しながら重たいペダルを回します。

 

浜益から増毛までは多くのトンネルを通過します。トンネル内は路面状態が良く、照明も明るいので、かなり走りやすいです。対向車線に比べて、追い越していく自動車の数が少なく感じられ、快適です。何より向かい風の影響を受けないのがとても助かります。

 

13:07、117.1km、何度目かのトンネルを抜けた直後、通過チェック、雄冬岬パーキングに到着。ここでも何人かの参加者さんと行き合い、写真撮影とツイートを済ませます。

 

まだ100kmを少し越えたくらいなのですけれど、とてもしんどく、ようやく体調が良くないことに気が付きました。とは言え、全く走れないわけではありませんでしたので、無理をせず、旅を続けることにしました。

 

13:14、117.8km、増毛町に突入。向かい風は少し収まっていたかもしれません。相変わらずのスンスン、ハアハア。体調が良くないせいか、肩から手首までの関節が固まってしまったかのようにガチガチになって、関節を曲げたり、ヘルメットを直したりという動作がすごく大変に感じます。

 

途中の漁港。いくつかの漁港と集落を通過しつつ、増毛町市街地を目指します。

 

増毛町市街地を目前にして、少しきつい上りとトンネルを進みます。上りになるとさっぱりペースが上がらず、業を煮やした後続さんにパスされていきます。上りと向かい風には逆らわないことにしていますので、気にせず淡々とペダルを回します。スンスン、ハアハア。

 

長かった上りが終わり、つかの間の下りで脚と尻を休めます。向かい風がずいぶん和らいでおり、快調にペースを上げながらペダルの上に立って両脚を交互にストレッチしたりします。

 

14:20、増毛町市街地に入ります。14:00頃まで「増毛春の味まつり」でコースが車両通行止めになるのですけれど、対向車線に自動車がいましたので、車両通行止めは解除になったものと思い、国道231号へ迂回することなく、走ります。

 

次の信号から車両通行止めでした、ぐはっ。右折して国道へ迂回し、PC2へ向かいます。

 

体調は良くないながらも、日が差して温かい海沿いのコースを走るのは気持ちがいいものです。

 

14:42、147.3km、PC2、セイコーマートいとう増毛店に到着(想定クローズ16:44)。ようやく半分走ったかと思う反面、まだ半分しか・・・と、へこんでしまう気持ちを回復させるため、長めの休憩を取ることにしました。あ〜、ここでも10数名の参加者さんを見かけました。参加者さんが多いことに加え、もしかして人数の多いペースで走れているのではないかと思ったり思わなかったり。まぁ、ブルベは競走ではありませんので、他人と比べることに意味はないのですけれど。

 

どっかりと地べたに座って、おにぎりを入れたスープはるさめとどら焼きをいただきます。このときはまだ胃腸が元気で、問題なく食べられていました。眼前に広がる日本海を眺めながら、先着していた参加者さんがいつの間にか出発していることに気づいたりして、15:13、停車時間30分を満喫し、ようやく重い腰を上げ、長い御料峠へと臨みます。

 

距離にして18.1km、平均勾配1.7%の峠道は、長く緩やかで、3〜4%に勾配が上がったかと思えば下ったりを繰り返すことは、増毛300の参加が3回目なので、よく知っています。勾配が緩いので、コーナーが少なく、遠く先が見通せるのも特徴です。北向きから西向きに変わった緩い追い風が優しく背中を押してくれます。補給直後でしたし、事前の心構えができていたこともあり、それほど苦しむことなく、アウターギアメインで20km/hほどで上れていました。

 

16:19、166.7km、長い峠道の頂上に到着。下りで尻と脚を休めましょう。頂上付近に「御料峠」の看板があるは知っていたのですけれど、写真を撮りそこねました、残念。

 

右手に恵岱別湖の水面を眺めながら、快調にダウンヒルを楽しみます。

 

コース前半に通った南空知とは違って、北空知では田植えはまだなのかぁと思いながら写真を撮りましたけれど、すぐ隣の水田では田植えが終わっていました。

 

ダウンヒルを快調に飛ばす参加者さんにパスされます。それなりに早くゴールするためには下りで踏むのは必要です。私はしません(できません)けれど。

 

体調の良くない私には7%の勾配は少しキツイです。先行していた参加者さんはすぐに見えなくなります。

 

17:31、石狩川を渡りながら、石狩川水系に戻ってきたんだなぁと、しみじみ感じます。ゴールまでまだ100km以上あるのですけれど。

 

この後、191.7km地点の雨竜町市街地のコース沿いにセイコーマートがあることをチェックしており、状況を見て立ち寄ろうと思っていたのですけれど、見逃したようで、スルーしてしまいました。まぁ、PC3まで20kmほどですから、よしとしましょう。

 

17:32、195.4km、滝川市に突入。DNFと汽車輪行するならここしかないという地点です。

 

PC3へ向かう丸加高原の上りでさっぱりペースが上がらない自分に辟易しながら(2018年の増毛300のように路肩で嘔吐しないだけマシwww)、沿道の菜の花畑に心癒されます。滝川市は菜の花の作付面積が日本一だそうで、たきかわ菜の花まつりを開催しているそう。

 

18:36、213.5km、PC3のセブンイレブン赤平文京町店に到着(想定クローズ21:08)。クローズまで2時間30分の余裕があるのは、自分的にはまぁまぁのペースなのですけれど、寒さと疲労と体調不良のせいで、とにかくこのつらさから早く解放されたいという、なんとも追い詰められた気持ちに駆られていました。

 

日没が近づき、寒さが増したような気がしましたので、温かいものを補給したくてブリトーほかを食べます。残念ながらセブンカフェ以外の温かい飲み物は見つけられず。先着していた参加者さんが元気に出発していくのをまるで他人事のように見送る自分がいることに気が付きます。気温の低下とともにやる気も下降気味、ゴールまで100km弱もあることに意気消沈。やべぇ、気を確かに持たないと。18:57、停車時間21分、防寒最終兵器のレインジャケットを羽織って出発。

 

日没を迎えましたので、前照灯を点灯するとともに、ここから文章中心の記録になります。とりあえず次のPCを目指して薄暗い道路を走ります。ボントレガーのサイコンやetrexと違って、explore2はバックライトがあるので夜間走行時も助かります。昼間はナビ画面にしていたのを、速度と距離を確認するためにサイコン画面に切り替えます。ついでに、役目が極端に減ったコンデジをハンドルポーチからトップチューブバッグへ移動し、ボトルをダウンチューブのボトルケージからハンドルポーチへ移動します。

 

PCで休憩できたこと、この後はほぼ上りがなく平坦が続くことから、少し元気になり、脚が回るようになりましたけれど、平均17〜18km/hが精一杯で、サイコンのアベレージ表示がじわじわと下がっていきます。後半になればペースは下がりますし、おまけに体調不良ですから、無理は禁物、というか、無理もきかず、のんびりペースで次のPCを目指します。街路灯が少なく、暗いコースもスピードを上げることを拒むように、眼前には暗闇が広がります。暗くなって視覚情報が乏しくなったため、サイコンの表示がとにかく気になり、思うように減らない残り距離と思うように上がらないスピードに、無限の苦しみを感じます。

 

いやぁ〜、つらい、つらかった。

つらくないブルベは経験したことないのですけれど、とにかくつらかったです。何がつらいって、胃がものを受け付けなくなったことですね。ボトルの水さえも誤嚥しかけるくらいダメダメでした。もともと消化器は強くない方で、疲労が胃に来るタイプなので、ブルベ向きとは言い難い体質です。終盤は水と血中グリコーゲンをエネルギーとしてゴールになだれ込むのが通例です。

 

21:03、250.9km、PC4のセブンイレブン美唄旭通り店に到着(想定クローズ23:36)。ここの手前でパスされたランドヌーズさんに「PCまであと2kmくらいですね〜」と声をかけていただいていたので、何となくそうかなと思いながらも、参加者さんの自転車が停まっているのを見て、たぶんPCなんだと停まったくらいですから、相当疲れていて、判断力が鈍っていたのでしょう。トイレ休憩をし、甘くて温かい缶コーヒーを補給し、残り50kmを走り切るために牛乳寒天を無理やり流し込み、ボトルに水を補給して、21:17、停車時間14分で出発。店員さんのご厚意でチョコレートとアメをもらいました。

 

PCに着く前は這々の体なのですけれど、少しの補給と休憩でも多少回復するようで、出発すると少しだけ脚が回るようになるものです。ところが、キューシートNo.42、251.5km地点の丁字路をナビはあぜ道のような砂利道を直進するように指示しています。後ろにいたランドヌーズさんに「左ですよ」と教えていただき、お礼を述べます。Ride with GPSはあくまで参考、キューシートが正確な情報という大前提を改めて実感します(後々知るのですけれどRide with GPSのデータは5月16日に修正されていたようです)。

 

その後も暗い農道を平均17〜18km/hののんびりペースで穴ぼこにハマらないように気をつけながら力なくペダルを回します。胃のダメージは回復する様子はなく、相変わらず水を飲むにも苦労する体たらく。加えて眠気からあくびが出るようになり、疲れに拍車がかかります。東の空に黄色い月がのぼってきました。日の入り、月の出、日の出など、普段お目にかかる機会の少ない自然現象を見られるのもブルベの醍醐味です。

 

PC4からゴールまでの間、PCじゃないコンビニがいくつかあったのですけれど、体が補給を受け付けませんし、休むくらいなら遅いながらも走り続けてもゴール時間は大差ないだろうという考えのもと、えっちらおっちらペダルを回すのみ。深夜になっても参加者さんにパスされたり、PCじゃないコンビニで休憩しているのを見かけたり、今回は最初から最後まで参加者さんの気配を感じながらの旅となりました。

 

昼間のトンネル通過でバッテリーを消耗した前照灯1灯はPC4の後でその役目を終え、もう1灯の頼りない明かりを頼りにゴールを目指します。いざとなったら、ヘルメットライトを前照灯に転用しようと思っていたのですけれど、杞憂に終わりました。

 

そんなこんなで、日付の変わった0:33、304.7km、セブンイレブン札幌北丘珠店にゴール。あぁ〜、ゴール受付までの2kmが遠い・・・。11km/hしか出ません。

 

1:02、ゴールでのレシート取得から約30分かけてゴール受付に到着。ブルベカードにPCの通過時刻を記入してスタッフさんのチェックを受けます。深夜にも関わらず我々の帰りを待っていてくれるスタッフさんには頭が下がります。無事にチェックを受け、お菓子と飲み物が用意された奥へと促されますが、疲労と体調不良から受付を辞することにしました。

 

その後、いつもどおり自動車に自転車を積み込み、後泊のホテルへ移動し、泥のように就寝。翌朝(といっても4〜5時間後)、朝風呂でようやく1日の汗を流し、7時間かけて帰宅し、ホントのゴールとなりました。

 

今回の反省

・体調不良を押して出走したわけではなかったのですけれど、結局最後まで体調不良に苦しめられることに。DNSの判断は難しいことを改めて実感。

・もとよりファストランは無理なのでギリギリ隊で上等なのですけれど、寒いコンビニの軒先で長時間休憩を取るのって悩ましいです。ファミレスとか暖かい室内で補給と休憩ができればありがたいのですけれど。反面、300kmや400kmは600kmや1,000kmの練習という意味合いがありますので、ホテルでの仮眠時間を確保するためにある程度の速度と時間的余裕がほしいところ。

・300kmなので夜間走行は短いとはいえ、前照灯の予備バッテリーを1組は用意しよう。

 

おわり

 

 

この日の走行距離 309.4km

アベレージ(ネット値) 19.4km/h

アベレージ(グロス値) 17.6km/h

今シーズンの累計走行距離 906km